第32話 新世界安定組織の本部

「はぁ、地獄だ」


地獄の朝ごはんを抜け出し、自分のベッドへと飛び込んだ。

昼飯の時もここにいては、また地獄へ引きずり込まれてしまう!

それだけは避けなければならない。

俺のメンタルのためにも。


それらしい理由を作って逃げなければ。


「そうだ! ダンジョンがあるじゃないか!」


ダンジョンに行けば、時間を潰せる上に、理由としても十分だ。

そうと決まれば早速母さんたちに伝えてこよう。

そう思い、下へと降りた時だった。

 

『ロバートさん、どこかへ行くんですか?』


服装を整え、出かける用意をしていたロバートさんを見つけた。

買い物……というわけではなさそうだ。


『はい、少し会う人がいまして。あ! そうだ、輝さんも一緒にいきましょう。あなたも呼ばれていたはずです』

『呼ばれてるってどこに?』


誰かからどこかに呼び出されてた記憶はいないけど……


『新世界安定組織です。確か、メッセージが来てるんじゃないですか?』


あ、確かに来てたな。

完全に忘れていた。


『確かに来てますけど、日時の指定はなかったですよね?』

『なかったんですが、少々状況が動いたんです。私の勝手な判断で、なるべく早く向かったほうがいいと思いまして。ついでですので、輝さんも一緒に行きませんか?』


まぁ確かに、どうせいつかは行くんだし、一緒に行ってもいいか。

それに、昼ごはんから逃げることもできそうだ。


『じゃあ、僕も一緒にいかせてもらいます。ちょっと待っててくださいね』


身支度を整えるために、一度部屋へと戻る。

なにせ、まだ俺はパジャマなのだ。


『ゆっくりで大丈夫ですよ』


いえいえ、待たせるわけにはいきませんよ!

ついて行かせてもらうんだから!


部屋のドアを蹴破るように開く。

そしてタンスの中から服を取り出して着用する。

あ、ちゃんとかっこいいのを選んでるよ?


『お待たせしました!』

『早かったですね。相当急いだのでは?』


『いえ! 早着替えは得意なので!』

『それを急いでいると言うのでは?』


うっ……確かに


『じゃあ、行きましょうか。地図マップを出してください。目的地は……ここです』


ロバートさんが示した場所をしっかりと確認する。

東京のビルの一つだ。

このあたりじゃ一番でかそうだな。

いい場所を取ったものだ。


『じゃあ、先に行って待ってます』

『すぐ行きます』


ロバートさんが先に移動する。

俺も後を追って移動すると、大きな大都市に出た。

テレビでよく見る、東京だ。

だが人などおらず、気味が悪いくらいに静まり返っている。

テレビで見る大量の人がいるのと比べると、まるで異世界に飛んだかのような錯覚に襲われるほどだ。


『こっちです』


ロバートさんがビルの中へと入っていく。

当然電気は通っていないので、自動ドアは手動ドアだ。

中は当然薄暗かったが、たくさんの人がいた。

全員が組織に所属する人たちだろうか?


「おい! あれロバートさんと高橋さんじゃないか!?」

「本当だ! 来てくれたのか!」


おぉ、顔が知られてるんだ。

顔を知られる機会があったのは前の武闘大会だけだと思うのだが。


まぁ、連絡先も交換してないのにメッセージを送れる謎の組織だ。

そのくらい不思議じゃないか。


『ようこそ、新世界安定組織へ』


幹部っぽい人が声をかけてきた。

ある程度ダンジョンで稼げているのか、生活が厳しそうな身なりではない。

最低でも十五……いや二十階層は突破しているだろう。

武器は銃か。


『ロバートです』

『高橋輝です』

『私はこの新世界安定組織設立者、河野美優こうのみゆです。お二人のことはよく存じ上げております』


河野美優……うん、聞いたことないや。

でも、短時間でこんな巨大な組織を造ったのだ、只者ではないだろう。

俺が作った一番大きな組織チームなんて、修学旅行の五人グループなのだから。

これも組織……に入れていいよな!? 


『来てくださり感謝します。まずはどうぞこちらへ』


通されたのはソファーと机が置かれた部屋だ。

他の場所と比べても特別感があり、奥に椅子と机があるのを見ると社長室かなにかだろう。


『まずはこの組織の目的、現在の活動についてお伝えしたいと思います。そしてあなた達へメッセージを送らせてもらった理由も』


そうして急遽行くことになった新世界安定組織本部で、組織についての説明を受けることとなった。








連絡

普段作業している端末が壊れ、執筆できる時間が減ってしまったので、落ち着くまで少し文字数が少ないです。すみません。また、投稿も一時ごろから十九時ごろに変更させてください




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