第22話 大きなトラブル
ピンポーン
「すみませーん!
俺が
みんなも覚えているだろう。
家の近くで、三人の男に絡まれているところを”俺”が助けた、
なんで家の場所を知ってるのかって?
そりゃ、俺が父さん、母さん、
を使ったのさ。
あ、ちゃんと了承は得てますよ?
さっき
連絡先の交換はしているから、何かあったら連絡が来るはず。
来ないということは、別に問題がない……と思いたいのだが。
ピンポーン ピンポーン
なんどチャイムを押しても、返事が返ってこない。
俺は自分の名前を叫んだのだから、
まさか……この短期間で忘れられた!?
でもそうとしか考えられないよな?
だって、親子三人が同時にダンジョンに行くとは思えないし。
もしそうだとしたら、家に侵入されても文句は言えないぜ?
いや、普通に考えてあり得ないことだし、文句は言えるか。
「これ、鍵開いてたりするかな?」
迷わずチャイムを押したから確認してなかったが、もしかして鍵が開いてたりして?
ガラッ!!
はい、開いてました。
結構いい音を出して、横開きの扉が開く。
靴はきれいに整頓されていて、三人分の靴もある。
となると、やっぱり全員がダンジョンへ向かったのか?
なんて不用心な……
「お、お邪魔します……ね?」
恐る恐る中へと入る。
家の外見からある程度予想はしていたが、かなり和風の家だ。
おまけにかなり広い。
いいなぁ、なんか、日本って感じだ。
まぁここ、日本なんだけど。
ソロ~リ ソロ~リ……
別に怪しい者ってわけじゃないが、音をたてないようにゆっくりと家の中を歩く。
広すぎてどこがどこだか分からないが、とりあえずはグルグルしてよう。
ここはトイレ、ここは……風呂場、ここは……おっと!
洗濯物を干すところだった。
危ない、一瞬だが、女性の下着が見えた気がした。
いや、気のせいだ気のせい……
「やめろ! 娘に触るなこのクソ野郎!」
「うるせーんだよ! 黙れクソじじい!
ドガッ!
「グッ」
……ん?
今明らかに人の声と、衝撃音が聞こえたよな? あっちか……?
ソロ~リ ソロ~リ
音を立てないよう、声の聞こえたほうへ行ってみる。
すると、一つの部屋へとたどり着いた。
そこは明かりが付いており、明らかに物音がする。
誰かいるな。
でもこういうのって、急に突撃していいものなのか?
もし相手がやばい奴だったら、無謀すぎるよな?
「んー!! んー!!!」
でも、明らかになんかやばそうだよな?
んー! しか言ってないし、口をふさがれてるのか?
やっぱり行くしかないよな?
「ちっ、さっき来てた
うん、どうやらさっき俺が叫んだのは聞こえていたらしい。
でも、帰ったと思ってるなら好都合。
不意打ちができるぞ!
「外を見てくる。おめーら、変な真似すんじゃねーぞ!」
あ、やっべ! 出てくる!
こういう時は……へへへ!!
俺は刀[
和風なのが幸いしてドアにガラスは付いてないから、向こうは俺が見えない!
ここは一発、痛いのをかましてやるぜ
(動視強化!)
『身体強化』は、下手をすれば殺してしまう可能性もあるため使わない。
俺って優しい!!
ガラッ!!!
出てきた! 今だ!
扉の陰から、俺は姿を現す。
相手のは約百八十センチの男性!
体格は標準!
頭には黒い帽子、靴はぶ厚めのものを履いている!
服も分厚く、打撃が軽減される恐れあり!
ここから導き出される答えは……そう!
「おりゃぁぁぁぁぁ!!!!」
「がはあぁぁぁぁぁぁ!?」
もちろん手加減をして、俺は相手の急所……股間を思いっきり狙う1
動視強化で相手の些細な動きも見極められる俺は、完璧な角度、動き、威力で、相手の股間へと剣[
相手は顔を青ざめ、悶絶死ながら倒れた。
大丈夫、手加減したから無くなってはない……はずだ。
まぁ、生きてるから大丈夫だろう。
倒れる男に近づき、ロープで柱に縛った。
痛すぎて抵抗すら出来なかったようで、楽に縛れた。
「よく襲われますね。大丈夫ですか?」
俺は部屋に入り、縛られていた3人を解放する。
全員、俺がヒーローに見えたことだろう。
ふふん、崇めるがいい、敬うがいい!!!
「
「偶然ですよ。 ちょっと様子を見に来たら、偶然こうなってたんで」
三人の縄をほどき、全員を解放する。
さっき殴られたのは父親だったようで、頬が赤くなっている。
お医者さんはいないしな~ 冷やしとけば少しはマシになるか?
「にしてもこいつ誰なんですか?
もし
じゃないと時間切れになって失敗となってしまう。
「急に家に入ってきたんです。それで私たちはあっさり……」
まぁ、不意打ちされたらどうしようもないよな。
俺もこいつを倒したのは不意打ちだし。
「まぁとりあえず、こいつが話せるようになったら話を聞いてみましょう。どうするかはそれで決めます」
「おい、なんでこんなことをしたんだ?
「お、俺は
ほぅほぅ、野沢君ね~ 君? いや、年上だし、さんか
年齢的に、
「
「ち、違う……初対面だ」
全くの他人か。
てことは彼女が目的ってわけじゃないのか?
「なんでこんなことをした?」
「なんでって……あんた見てないのか?」
「見てないって……何を?」
すると男はメニュー画面を開き、情報が載っているページを開く。
そして、これ……と言ってあるページを見せてくる。
そこには、(報酬付き! 簡単なお仕事!) という、明らかに詐欺臭い題名と共に、一つの書き込みがあった。
「な、何だよこれ!?」
それを見て驚いた。
なんとそこには
「この女性を捕まえ、ここに連れてくれば、報酬として三万ルディを与える」
と書かれていた。
なんだよこれ……しかも、全世界に向けて発信されてるってことは……
「気を付けたほうがいい、これを見てくる奴の数は計り知れない。俺のような奴らがわんさか来るかもしれないぜ」
「わ、分かってるよ。くっそ!」
時間がない!
どうする? 何人来る? どのくらい来る?
数によっては、俺だけじゃ対応しきれない。
いや、今はそれよりも逃げることが先決だ!
「俺らに敵対しないなら、お前は逃がしてやる! 情報もくれたしな。どうする?」
「や、約束する! いやします!!」
約束するということで、縄を解いてやる。
野沢はまだ痛いのか、不格好な走り方で家から出て行った。
おれも急がねーと!
「みんないるか!? 少し……いやかなりまずいことになった! 一旦ここを離れよう!」
「ど、どういうことですか!?」
「説明している暇はない! ほら、二人も早く!」
父親と母親も連れ、外に出る。
くっそ、
今から連絡先を交換して買ってもらうしかないか。
「いたぞー!!!!」
「おう、やっべ! 来ちゃった!」
現実はそう甘くないらしい。
もうきやがった。
「裏から走って逃げましょう! 余裕が出来たら、一気に逃げます。 先に行って!」
ドン! ドン!!
三人を先に行かせ、後ろからのくる奴らに銃を放つ。
当たらないように、威嚇のための射撃だ。
しかし、それでもひるむことなく追いかけてくる。
まずいな、当てるつもりがないと悟られれば、余計に連中はしつこく追いかけてくる。
一人に当てるか? いや、できるだけ傷つけることは避けたい。
「鬼ごっこか? 楽しそうだな!」
「ん?
「いや、向こうでの用事が終わったから来てみたんだよ。お前が
「してることは少しきもいが、ちょうどいい。少し頼みがあるんだがいいか?」
「いいぜ、何でも言ってみな」
「今追いかけてきてるあいつらを止めてくれ! できれば傷つけずに!」
「追われてるのに優しいな~ まぁいいぜ。引き受けた!」
「頼んだ! ある程度したら離れて構わない。俺の家で待っててくれ!」
「おう!」
偶然来た
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