天才肌の秘訣
沼津平成
第1話
「あのころは、よかったね……」自分の頭を撫でながら、お母さんがいった。「おまえ、『お』っていうひらがなを知っていたけど、なぜだか知っているかい?」
僕は首を振った。「ううん、知らないよ」
「そうかい……」お母さんは虚な目をした。「おまえさ、ウォッシュレットを知ってるかい?」
「あのトイレ便座についてるやつ?」僕は聞いた。
「ああ、そうだよ。おまえ、あれの形を覚えようとして……」
その瞬間、母は還暦を迎えた。
天才肌の秘訣 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel
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