第8話

返事に困った。


告白された経験が無くどう答えたら良いか分からなかったし、彼女と付き合い始めると、親友に乗せられた感じで気分が悪い。


せめて一言事前に言われていれば、もっと素直に彼女の事を見てあげられたはずだった。



『そんな風に想ってくれて嬉しいよ』


沈黙に耐えられず、言葉が出てしまった。



『スキーを教える事しか頭に無かったから、生徒としてしか今まで見ていなかった』


彼女は少し落胆した様子だった。

今まで笑顔だった彼女の落ち込んだ姿を見ているのは辛い。



『友達に仕組まれた感じがするけど、断る理由も無いし、山を下りても遊んでくれるかな?』


少し笑顔を取り戻した彼女と自分の中で何かが始まった感じがした。

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