第4話
誰もいないゲレンデで、抱き合いながら倒れてる二人。
微かに林を抜ける風の音がよく聞こえる程の静寂と長く感じる時間。
彼女の上ずった息が聞こえる。
(この状況、どうしよう)
抱きしめたまま、彼女に声をかける。
『大丈夫?』
彼女が俺の胸の上でコクリと頷いた事がわかる。自由にならない自分の身体とこの状況に驚いて声が出ないらしい。
『ずっとこのままでも良いけど、あいつ奴が心配するからね』と声をかけた。
落ち着きを取り戻したのか、彼女はなんとか上半身を起こす事ができた。
ゲレンデに二人で座り込み、俯いていた彼女の顔を見た。
視線に気付いたのか、彼女もこちらを見る。
少し気不味い雰囲気が漂いはしたが、二人とも笑うしかなかった。
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