第3話
左後ろ向きに倒れている彼女を助けようと、彼女の右斜向かいに近寄った。
『もう、ダメみたい』と笑いながら言う彼女。
『もう、戻ろう』と言って転んでいる彼女に右手を差し出した。
『うん』と言って微笑んだ。
左利きなのか、左手を差し出した彼女を掴み起こすが、彼女は膝に力が入らず一度では起こせなかった。
今度はちから一杯に引き上げた。が、強く引き過ぎてバランスを崩した。
怪我をさせてはいけないと、咄嗟に彼女の腰に右手を回し、しっかり抱きしめつつ左手で地面を探した。
彼女と向かい合わせに抱き合いながら自分が下敷きになる様に倒れた。
両手で俺の肩にしがみつき、胸に顔を埋めている彼女。
自由の利かない疲れた足に、重いスキー板とストックが絡み、二人とも軽く自由を奪われている。
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