ep.7-2 サンドイッチの食べ方3選

ピクニックの定番、お昼ご飯が始まった。



すずねは両手にサンドイッチを持って食べている。

ポテトサラダとたまごが好きなのか、その二つしかとらない。

口元にポテトサラダのマヨネーズがべったりついているが、気にしていない。

ずっとニコニコしながら食べ続けていて、もふもふの尻尾もパタパタし続けている。



アイルもすずねと同じく両手にサンドイッチを持っている。

ただ、両手ともカツの挟んだものを持って食べている。

誰かにとられたくないのか、お腹がへっているのかわからないが、

一つのサンドイッチを二口で食べて、次のサンドイッチを取っていた。



ルヴィアは一つずつサンドイッチを取って食べていた。

野菜が好きなのか、トマトを良く取っているものの、

ポテトサラダ、たまご、カツもまんべんなく食べていた。

ただ、他二人とは異なりゆっくりと味わって食べているように見える。



大将も一つずつサンドイッチを食べていた。

全体を見渡して、残りそうなサンドイッチを選んで食べているようだ。

すずねやアイル、ルヴィアが食べている様子を見てニコニコしつつ、

お茶を入れたり、食べ終わったサンドイッチの皿を片づけつつ食べている。




「「「「ごちそうさまでした!!!!」」」」




4人は両手を合わせて叫ぶ。

そしてアイルは後ろに倒れ込んだ。



「食った~!!今日もう動けないかも」

「すぐねたら、ぶたになるよ」

「ぶひぶひ」

「もうなっちゃった……えい!」

「くすぐったい!!」



倒れ込んだアイルにすずねは尻尾で叩く。

もふもふがくすぐったいのか、アイルはその尻尾を払いのけようとする。



「俺の眠りを妨げると……こうだ!!!」

「!?……ははは!やめて!!!」



アイルはすずねをくすぐり始める。

すずねもくすぐったいのか、アイルを避けようとする。

そうしつつも、尻尾でアイルを叩くのをやめない。



「ホント、二人とも元気ねぇ」

「良いじゃないですか。すずねちゃんも笑顔ですし」

「そうね」



その様子をそばで座りながら、大将とルヴィアが話す。

二人ともアイルとすずねの争いに目を向けながら話を続ける。



「今日はありがとね。誘ってくれて」

「いえ……アイルもルヴィアさんも最近は色々ご迷惑かけてますし、

 俺ができることはこれぐらいしかないので」

「気にしなくていいわよ。私はあなたとお店と料理が好きなだけだから」

「ありがとうございます」



二人の間に爽やかな風が流れる。



「すずねちゃん、まてー!!!」

「ぎゃあ!!」



アイルとすずねはくすぐり合いをやめて、追いかけっこが始まっている。

すずねはくすぐりから逃げたいのか、必死に走っている。

そのすずねをアイルは両手を大きく広げつつ、何か変なことを叫びながら追いかけていた。

二人の様子をクスクスと笑いながら、ルヴィアは少しまじめなトーンで話す。



「聞いたわよ……というか、今見えてるか。すずねちゃんのしっぽの件」



二人は追いかけっこ中のすずねの方を見る。

もふもふの尻尾があっちこっち色々な方向に振り回されていた。



「ルヴィアさんは聞いたことありますか?尻尾が増えたって言うのは」

「実際に見たことはないわ。でも……」

「でも?」

「はるか昔の文献には一応記載があった」

「そうなんですか!で、どのようなことが書かれていたんですか?」



わくわくしながら大将は尋ねる。

が、ルヴィアは渋い顔をしながら答えた。


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