第3話

数日後、新大和の進水式が厳かな雰囲気の中で行われた。招待された国内外の要人たちの前で、巨大な船体が静かに水面へと滑り落ちる。その瞬間、新たな旗が艦橋に掲げられた。


それは旭日旗に酷似したデザインだったが、赤い中心がやや小さく、光条の数も減らされていた。「現代的に再解釈されたデザイン」と説明されたそれは、国内では一部で歓迎されたが、海外では反発の声が相次いだ。会場に詰めかけた報道陣のカメラが、一斉にその旗を捉えた。


翔太は人々の歓声を耳にしながら、旗が空に高く揚がるのを見上げた。しかし、その裏に隠された国家的な意図を察知し、心に重い疑念を抱えたままだった。

翔太は新大和の進水式の喧騒の中で、旗の揚がる瞬間を見つめながら複雑な思いを抱えていた。歓声と拍手の中、彼は自らの立場と未来に対する不安が交錯するのを感じた。周囲の人々が喜びに沸く中、彼の心には一抹の不安が残っていた。

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