第5話 新たな出会いと初めての初級魔法


「ばぁはぁばぁはぁ」


何故赤ちゃん語と混じって声をあげているかって?

それは庭の端に移動するために走ったら疲れたからだ。

大変だよこの身体はとても不便だ。

俺は何故庭の端にいったのかって?

それは母親が疲れて寝かけてるから、初級魔法を撃とうかと思ってるんだ。


『水の神よ 偉大なる力の一部を使い 敵を流せ【ウォーターボール】』


・・・


ぽふっ


あれ?出ない。

何故だ?やり方は完全に理解してたはず。


「あらあら、何してるの?」


えっ

うぉっ、やばい完全に見られた。

来ないでくれ来ないでくれ。何でそんなに詰め寄るように近づくんだ。


「かっわいい〜、この子初級魔法撃とうとしてた。熟練度がないと出来ないのに。」

「じゅくれんど?」

「そう熟練度よ」


えっ?かわいい?

まぁとりあえずよか、って良くねえよ!

熟練度? まじでなにそれ? 思わず声に出てしまった。

そんなの初耳だ。本にはそんなこと書かれていなかったし。

なんだよ。熟練度なんかあるのかよ。

そういえばウォーターの練習はいっさいやってなかったな。

ということは熟練度がまったく足りなかったから出なかったってこと?

じゃあ結構やってる風だったらウィンドボールいけるかも。

あっやろうと思ってたけど見られてるんだった。


「まま! じゅくれんどってなに?」

「熟練度はね、何回も練習したりすると溜まっていくものよ。

 あとは戦闘とかね、実戦で使うと上がりやすいわ。

 スキルも魔法も全部に熟練度というのは存在するのよ。

 そして熟練度はね、高ければ高いほど強くなるわ。」

「へぇ〜。あんまりよくわからないけどじゅくれんどはだいじなんだね」

「まだ難しかったかな。」


やばい。これは無双できる可能性が出てきた。

ありがとうございます。お母様。

後、全て理解してるけど嘘ついてごめんなさい。


「私眠いから帰るよ。」

「まま まって」

「どうしたの?」

「初級魔法ってどんな感じ?」

「見る?」

「見る!」

「う〜ん、風にするか」


キタッ!風だ。


「いくよ」

『風の神よ 偉大なる力の一部を使い 敵を吹き飛ばせ【ウィンドボール】』


その魔法で庭に生えてる木が揺れた。


「どうよ?」

「まま すごい!」

「でしょ〜、もう大丈夫?」

「うん!」

「じゃあ、帰えるわよ」

「は〜い」


う〜ん。練習したかったけどまぁ仕方ない。


「それじゃあねレオ、私は寝るわ」

「おやすみ〜」


(扉の閉まった音)


よし帰ったな

う〜んどうしよっか。


周りで魔法の練習に使えそうなとこないかな?


見つけた!窓を使えばいいんだ!


よいしょっと。開けるの大変だな。

おっ開いた!うわっ風強っ!


ふー収まった。いいやそれにしてもいい景色だな。


ここは街の城から少し離れていて、ひとつひとつの土地が大きくとれる。

だから建物と庭はセットになっていることが多い。

隣の建物から少し空いてるから気兼ねなく窓から魔法を撃てるな。

よし!いっくぜ〜。


『風の神よ 偉大なる力の一部を使い 敵を吹き飛ばせ【ウィンドボール】』


お!いったぞ。

ってあれ?おかしいな。

母親と全然大きさが違う。

ていうことは熟練度の差か。熟練度が上がれば基礎能力も上がるのか。

よしっ熟練度でできることをまとめたぞ。

・まず熟練度はスキルや魔法などに存在する。

・熟練度は繰り返し使ったり、実戦で使うと上がる。

・熟練度は高ければ高いほど色々なことができるようになる。

・例えば、知っていることで言えば、形や大きさを変えられること。

・後予想だけど、効果も付け加えたりできそうだし、消費魔力量も減る。

このくらいかな?

あれっていうか、熟練度が上がり消費魔力量が減るっていうことは

予想よりもっと魔力量が増えてないってこと!

そりゃないよ〜。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜2ヶ月後のある日〜


「ねえね あそぼ」

「いやちょっとむずかし」

「あそぼうよ!」


そう俺は日課の魔法の鍛錬をしなくてはいけないのだ

えっ泣きかけてる?まずいぞ。


「わかったよ。あそぼ!」

「えへへ やった!」

「はいはい」


くそっ魔法の練習ができない!

毎回押し負けてしまう。


「まま〜おにわにいくね」

「はーい。ちょっと先いって待っててね」

「はーい。じゃあいこ」

「うん」


「きょうはなにするの?」

「ぼうけんしゃごっこ」

「いいよ」

「レオはまもの わたしぼうけんしゃ。」

「いいよ」


何で俺はいつも魔物役をやらされるんだ。

まぁ楽しそうだからいいけど。


何?それでその子は誰かって?


それを説明するには1ヶ月前に戻るのだが...


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜その日朝食の時〜


「そう!今日ね隣に新しい住人が引っ越してくるんですって。」

「そうなのか。じゃあ数日は仕事空けないとな」


えっ。まじで?一大イベントやん。


「あらレオそわそわしちゃって、そんなに楽しみなの?」

「うんっ」

「おっそうかそうかレオも楽しみか」


〜次の日の朝〜


あんまり寝れなかった。

なんていうのは嘘で睡魔には勝てなかった。

でもまぁ楽しみだ。


こんこん


「あらお隣さんかしら、あなた〜来たわよ」

「おうそうか今行く!」


「ほらレオも」

「うん」


「よっし準備完了だ」

「開けるわよ」


(扉の開く音)


「あらこんにちは」

「こんにちは、昨日引っ越してきたものです。」

「はい、お話は聞いております。中へどうぞ」

「失礼します。」


(扉の閉まる音)


「じゃあ適当なところに座っていただいて」

「はい分かりました。」


「すみません、粗茶なんですが。どうぞ。」

「いえ、ありがとうございます」


「じゃあ自己紹介をしましょうか。まず私はアイリスで、

 この人がノエル、この子が私の息子のレオです」


「私はマリー、この人はアンドレ、この子が私の娘のナタリーです。

 よそしくね。」


この会話の状態を判断した結果、どちらの夫もでかいが妻には逆らえなさそだ。


「よろしくなアンドレ!」

「おうよろしくノエル!」


しかし何かシンパシーを感じたのか仲が良さそうだ。

じゃあ俺も


「よろしくね。ナタリー」


あれ隠れられた。

ショック。


「ごめんね〜レオ君、ナタリーは恥ずかしやがりなの。

 でもいい子だから仲良くしてあげてね。」

「はいっ」

「レオ君はいい子ね〜。ほらナタリーも恥ずかしがらずに挨拶して。」

「な、ナタリー。おねがいしま...」

「うんっ。よろしくね」

「レオ君は何歳なの?」

「1さいです。」

「じゃあナタリーと同じだね。」


うんめちゃくちゃ可愛い幼馴染っていうことか。

この子は俺の幼馴染になるのかな?うれしいな。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


てな感じで出会ったんだけど、その後も何回か遊びに来て遊んでいたら

めちゃくちゃなつかれた。でさっきのように魔法鍛錬をするのが難しくなった。

は~、うれしいけど複雑だ。今後はどうしようかな。


ちなみに余談なのだが、アンドレは父親と同じで冒険者だ。

遊びに来た時二人は酒を飲んでるけど、どちらも母親に説教をくらうのがオチだ。


—————————————————————————————————————


あとがき


どうもこんにちはスケ丸です。


ヒロインが登場しました!

レオは1歳8カ月にしては話し方が大人っぽいから無双が近いかもしれません。

赤ちゃんは1歳8カ月だと2語文で話すそうです。

ナタリーは言語に関しては少し成長が普通の赤ちゃんより早いかもだけど、

ほぼ全部2語文で話させてます。


面白いや続きが気になると思った方は☆や♡を押してしてくれると励みになります。


これからもよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る