第45話

「けど、渚が個人的に自分の補佐役として呼んだ鴇矢遥さんはひとまず置いといて、野口さんと村瀬さんに関しては、あくまで探偵泉石渚との個人契約であって、今日、あいつが野口さん。貴方に依頼したのは服毒自殺をしようとしていた草津千里の保護&事務所への送迎だけだったと思うんですけど? なんでまだ? 草津千里のこと監視しているんですか?」

「!」

 昴の言葉に、遥に、飲み物を渡そうとしていた斗真の手が……。

「俺たちは、仕事を終えて、二人で晩めの昼食を食べていただけ。それに、草津千里だっけ? そんな男のことは名前も知らないし、会ったこともないけど? けどまぁ? 泉石渚くん? 彼となら、何度か一緒に仕事をしたことあるよ? 彼? この近辺じゃあ? 有名な探偵だから?」

 野口は、顔の表情を一切変えず、淡々と返事を返す。

「確かに、渚は、何故か老若男女、色んな人とすぐに打ち解けられるんですよね? 才能なのか、それとも努力なのか、渚の周りには、常に沢山の人が集まってくるんです。まぁ? 時々……いやぁ? 解っているんです! 渚が目的の達成の為に、あなた方に近づき、自ら交渉を持ちかけたことも。けど……」

 俺は、どうしてもあなた方を信用することができない。

 昴は、野口らに向かって、例の爆弾を爆破させる。

『そう言えば、お前、泉石渚とかいう餓鬼とは、まだつながっているのか?』

『餓鬼じゃあなくて、渚くん! それに、渚くんは立場こそ違うけど、僕らと同じ探偵だよ!』

『それに、そいつの同僚? 友人? どっちでもいいか? その……草津千里って言う男も、もう大丈夫ないんだろう?』

『あぁ!』

『だったら、お前がここまで、そいつに肩入れする必要ないだろう!』

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