僕にとって……
第41話
カフェ喫茶rose 屋内。
「あの? 鴇矢……」
昴は、今、渚に頼まれ裏社会専門の探偵、野口一とその相棒である村瀬斗真の監視&調査をしている。
※もしものことを考え、銀縁眼鏡を掛け、ラベンダー色のウィッグ(長髪)を後ろで一つに纏めている。。
「私のことは遥って呼んで。私も、昴くんって呼ぶから!」
「あぁはい。じゃあ? 遥さん?」
「なに? 昴くん?」
昴の問いかけに、レモンティーを飲みながら、鴇矢遥(37)が答える。
「遥さんは、その……渚とは、どういうお知り合いなんですか?」
「えっ?」
昴の質問に、一瞬困った表情になる。
「あぁいやぁ……その? 俺が、俺が言うのもなんなんですけど、渚は、基本、他人に興味がないんです。だから、そんなの渚からの急ないやぁ? 突然の誘いにも、嫌な顔ひとつもしないできてくれるなんて、普通だったら絶対ありえないです」
探偵の職業柄、渚には老若男女、それも色んな職業の知り合いが多い。
その殆どが、プライベートではなく、探偵の仕事で依頼人として出会い、渚の仕事ぶりを気にいり、その後を交流が続いている。
それでも、この人みたいに、急な呼び出しでも来てくれる人は、ほとんどいない。
だから、鴇矢遥は、渚にとって、他の知り合いとは少しだけ違うタイプの知り合いなのかもしれない。
「ありえない? あぁ! 確かに、渚くんは、ちょっと変わってるよねぇ??」
「ちょっとじゃあなくて、凄く変わってますよ! けど、それも含めて、泉石渚なんですけどねぇ?」
そう、俺は、そんな渚だから一緒に。
だからこそ、そんな渚の事を傍で支えたいと思ってた。
「ふふふ」
「遥さん?」
「あぁごめんなさい。昴くんは、いつも、こうして渚くんの仕事手伝っての?」
「いえ。渚から手伝って欲しいと頼まれた時だけです。自分の本業は、あくまで花屋なので」
「花屋! 昴くん! 花屋で働いてるの?」
「はい! フラワーショップ「ホワイト」という花屋で働いています。あぁそうだ! これ宜しければ!」
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