灰色の空を見上げてお父さんが言った。

「この雨はあいつの悔し涙だ。天からあいつの叫び声が聞こえるよ」

天気予報では晴れだったのに、ベランダの向こうは土砂降りの雨。

続けて話すお父さんの声が、轟音でかき消された。


1階のリビングに、君はいる。

ついさっき、自宅に戻ってきたね。

お化粧をされ、白装束に身を包んだ君を、家族5人で抱き上げた。

ピンとこわばった関節が、これは抜け殻だ!とささやいてくる。


蓋を閉めた。

眠っているんでしょ。

明日になったら起きるんだよね?

箱の中にいたら驚くだろうな。


夜になっても、

雨、雨、雨。


昨日は大変だったけど、もう落ち着いたでしょ?

まだ涙が出るの?

泣き虫なのは知ってるけど、こんなに泣いたことはなかったじゃない。


蓋を開けた。

半開きになった厚みのある唇に、私は唇を重ねる。

ひんやり冷たく、ふんわり柔らかい。

せっかくの化粧がはがれかけて、私は慌てて唇をなぞった。


雨が降る。

どうしようもなく降りしきる。

リビングのライトが3度、またたいた。




・・・・・・・・・・・


Sunoは一度曲を作ると、2パターンの曲ができ上ります。

あなたはどちらが好みですか?


https://suno.com/song/35620c5e-6933-4e10-b9b7-f5b979f87e3c


https://suno.com/song/baa15a86-4d0f-478d-970a-595b7793a626

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