第7話 丸い鎧出現
「なにこれ? なんか柔らかくてひんやりしてる」
「ここは、どこなんだ?」
ルイスも戸惑っていた。
ミコは、この匂いと感触に覚えがあった。
「アルマジロ!」
「あたし達、アルマジロの中にいるのよ!」
『ミコ、思い出したようだね』
声が聞こえた。
「その声は、アルマジロのアルね!」
『そうだよ、ミコ。懐かしいな』
「アルが助けてくれたのね!」
『ああ、外は矢の嵐だよ、ミコ』
そういえば、外が騒がしい。何かぶつかる音がしている。
「そうか、アルマジロの
『なんてことない、少しくすぐったいけどね』
「‥‥‥あの、君は、交友関係が広いね」
ルイスが訊いてきた。
「そうね、十六回生まれ変わったからね」
「‥‥‥」
(はぁ?やっぱり、この女変だ)
「それより、怪我は?」
ミコはルイスの怪我の具合を心配していた。
「女性の、‥‥‥胸みたいだ」
ルイスは、両手でアルマジロのお腹を
アルマジロの腹は、女性のおっぱいみたいに柔らかいのだ。
「バカっ、何やってんの、この非常時に!」
(とんだエロ男爵だったわ!)
「でも、このまま、ここにいても何の解決にはならないわね」
「ねぇ、アル。このまま移動してくれない?」
『ミコ、俺たちは丸くなったら自力では動けないんだよ、忘れたのかい?」
「そうだったわ。でも外は矢の嵐だし、どうしよう、誰か助けて!」
次の瞬間、アルの体が回転し始めた。
「ワォ、何なに?」
ミコは、アルの太い毛に掴まって、身体を固定させた。ルイスは、柔らかい肉から手を離さない。
「何が起きてんの、アル?」
『どうやら、フンコロガシが転がしているようだよ』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます