第6話 新幹線とホーバークラフト出現

 すると、洞窟の入り口と反対側の岩が轟音を響かせて崩れ落ちた。そこに現れたのは、新幹線の先頭にトンネル掘削機を取り付けたような、大きな大きなミミズだった。


「ミミズのミミね!」

『そうよ、ミコ。こっち側にトンネルを掘ったわ。早く逃げて!』


「あ、あの、ミコ。このデカいミミズは‥‥?」

「友達よ!早く!」


 二人はミミの通したトンネルを抜けたが、その先は川幅の広い川だった。橋は遠くにしかない。ルイスの怪我の事を考えると、歩くのは無理そうだった。



『今度は俺の番だ!ミコ』

 川から、ホーバークラフトほどの大きさのカモノハシが現れた。


『早く背中に乗りな! 向こう岸まで行くぞ』


「懐かしいわ、カモ。ありがとう!」


「ミコ、このデカいカモノハシも?」

「元夫よ!」

「元夫‥‥‥」

 二人はカモに乗って向こう岸に渡った。


 元夫に別れを告げ、二人が歩き出そうとした時、また矢が飛んで来た。

「さっきの兵隊達が、もう出て来たわ!」


 隠れる場所もない平原が続いている。

「ダメだわ、誰か、誰か助けて!」



 次の瞬間、ミコとルイスは柔らかなモノに包まれていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る