第5話 騎馬兵出現

 洞窟の入り口付近に、彼はたたずんで外を眺めていた。昨夜は分からなかったが、背が高い。ミコより二十センチ以上高そうだ。

(イケメン、高身長‥‥‥これで、大金持ちだったらいう事ないわ、少し馬鹿だけど)


「おはよう」

 後ろから声をかけたら、ルイスはビクッと飛び上がった。


「なんだ君か」

「そんなに驚く⁈」

「ああ、済まない。ずっと追われ続けているからつい」


「逃げ続けるのね。どこまで?」

「ペンタリア国の王都まで」


「ペンタリア国の王都⁈ なんで?」

「そこまで行けば、何とかなる‥‥‥はずだ」

「ふーん」

(なんか、とてつもなく怪しいわ。余り関わらない方がいいかも)



「危ない!」

 ミコは、ルイスの身体をつかんで自分の方に引っ張った。どこからか、ルイスめがけて矢が飛んできたのだ。

 ミコがそれをいち早く察知して、彼を助けた。


 見ると、崖の上から数十人の騎馬兵が、次々に矢を降らせて来ている。二人は堪らず洞窟の奥に逃れた。


 洞窟は曲がりくねっている為、矢はいずれ届かなくなった。


「敵だ。敵に知られた。じきにやって来るだろう。もうここには居られない。僕はここを出る。世話になった」


「待って。今出ても、また矢が降ってくるわ。それに、怪我してるじゃない!」


「しかし、ここにいても何の解決にもならない」


「そうだけど‥‥‥、コウは夜行性だから、昼間は飛べないし、ああ、誰か助けて!」








 

 

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