鑑定その2 今回の戦利品 鑑定結果

今回のルブラの戦利品、鑑定結果:


【竜殺には役に立たない謎の紋章】

価値:3500G(王都で快適な生活が一年できる)

レアリティ:☆☆☆☆☆☆☆

説明:低摩擦で回転する軸受けの技術に興味を持った王立工業会がこれを高額で買ってくれた。わたしはこれを二度と見たくない。

まさかルブラの言う通り本当に無意味なヒマつぶしだとしたら……まあないが。もしそうだと異世界鑑定学の根幹が揺らいでしまう。なぜならだいたいの意味不明の物体に対して「単にそういうもの」という説明がまかり通ってしまい、それは否定できないことになる。



【ファイアドラゴンの頭部】

価値:700G(りっぱな貴族の衣装ひと揃えが作れる)

レアリティ:☆☆☆☆☆

説明:ドラゴンは捨てるところがないと言われている。竜骨や竜鱗は防具の素材として重宝されるほか、肉も薬になったり好事家の食卓に並んだりする。とくに頭部はそれを剥製として所持したがるものがいるので格別の価値がある。この子も新興武家の客間をかざってはったりを利かせることになるだろう。



【ファイアドラゴンの内臓】

価値:160G(堅木の家具をひとそろい買える)

レアリティ:☆☆☆☆☆☆

説明:火炎袋などからは良質な錬金術素材が採取できるので錬金術師に重宝される。ルブラいわく、戦いが長引くと火炎袋の中身がなくなるので速攻が高く売るコツらしい。解体にはコツがある。火炎袋にあるふたつの臓器の中身を混ぜると燃えだすので混ぜてはいけない。胆汁に触れてはいけない。とにかくそれぞれの体液を混ぜてはいけない。混ぜるな危険。ちなみにファイアドラゴンの死骸は死亡後放置すると爆発する。



【赤青黄で塗り分けられた絵画】

価値:2G(パンがたくさん買える)

レアリティ:☆☆

説明:またルブラがよくわからない絵を拾ってきた。絵というが画面は白地に黒で線が引かれ、赤青黄で几帳面に塗り分けられているだけだ。絵とは呼ばないかもしれない。わたしはもうしばらくわけのわからないものは見たくないので、このどこかの都市の地図みたいな絵は、たまたまうちを訪れた物好き貴族に売った。まあ色はきれいだった。



【アイスクリーム】

レアリティ:☆

価値:ーG(わたしの労力、プライスレス)

説明:アイスクリームを作るのは大変だ。まず雪か氷を用意して、それに寒剤を混ぜると温度が一気に下がる。その中にクリームの入った器を入れて冷やしながら丁寧に混ぜなければならない。わたしはクリームに蜂蜜と木苺のジャムを入れる。ルブラはこれを暖炉のそばでぬくぬくと食べるのが好きだ。だいたいのことは許される。


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