第8話
「青木さん」
不意に呼び止められて、振り返るとそこに立っていたのは三室潤である。
萌香は勿論、他の2人も歓声を上げる。
「ちょっと……話があるんだけど」
女子3人組はキャーキャ騒いでいる。
2人に送り出されて、萌香は潤の後を追って行った。
そして2人は屋上に行った。
「話と言うのは……奥沢さんの事なんだ。彼女誰か好きな人がいるのかな」
「えっ?」
萌香が見ると、潤は真剣な眼差しで萌香を見ている。
「桜井君」
咄嗟に郁弥の名前が出ていた。
「そうか…… 」
潤は息を吐き出した。
「そっか、やっぱあの2人そうだったんだ。ありがとう」
萌香は胸の痛みを覚えていた。
潤はそのまま屋上から出て行った。
私、何であんな事言っちゃったんだろう!
桜井君と礼音は友達なのに……
ゴメンね。礼音。
でも三室君を取られたくないの。
"ノートありがとう。
助かりました。
期末テストお互いにベストを尽くそうね。
奥沢礼音"
このメモが翌日、クッキーの袋の中に入っていた。
クッキーは大好きなくるみクッキーだった。
それが机の中に入っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます