第7話

期末テストも近い日、礼音は風邪で学校を休んだ。

出て来た日の事である。

図書室で勉強していた礼音の前にノートが置かれた。

顔を上げてみると三室潤が立っていた。

「もう大丈夫か?これ、休んだ日のノート」

「ありがとう」

「いや。ライバルだからな。このノートが無くてテスト悪くなったら嫌だし」

「そうしたら三室君がトップになるかもしれないよ」

「それが嫌なんだ。勝つなら全力の奥沢を負かしたい」

「ありがとう」

礼音はノートを開いた。

凄く丁寧に纏めている。

「俺、部活行くから。終わったら、野球部訪ねて」

「分かった。借りるね」

潤が行ってしまうと、礼音は早速ノートを書き写し始めた。


全教科書き写したら、結構時間かかっちゃったな……

礼音はメッセンジャーバッグにノートを詰めて野球部へと向かった。

あれ?他の部員達はもう帰っているのに。

見れば潤が一人でグランドを走っていた。

礼音はグランドの中に入って行った。

邪魔はしたくないので、ベンチの上にノートを置いてメモを残した。

三室君……人の何倍も努力している人だったんだ。

礼音はそのまま家路に向かって歩き出した。

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