第5話
「ただいまー」
「お帰りなさい」
礼音は2階に駆け上がると、直ぐにTシャツとGパンに着替えた。
そして台所にいる母親の元へ行く。
「母さん、手伝うわ」
「じゃあ、卵焼いて頂戴」
「はい」
礼音はすぐに卵を冷蔵庫から取り出した。
食事の手伝いと、食後の食器洗いは礼音の仕事である。
小さな時から礼音は近所でも優等生として評判が高かった。
父親が8歳の時に再婚して新しい母親と妹が出来てから礼音は手伝いも勉強も頑張った。
新しい母親に受け入れて貰う為である。
辛い事があってもそれを見せずに笑顔でいる術も学んだ。
いつの間にかそうやって強い女の子になって行った。
「お姉ちゃん。数学教えて」
宿題をしていると、妹の野乃花が部屋に入って来た。
野乃花は礼音より2歳年下である。
「いいよ。何処?」
「36ページの問7が分からないの」
「ああ、此処?」
2人はテーブルに移動して、礼音が野乃花に説明を始めた。
「うんうん!分かった。お姉ちゃん、ありがとう」
野乃花は勉強道具を片付けると、部屋を出て行った。
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