死神の仕事

@HANAMIHANATABA

第1話

 死神は、現世の罪を犯した人間の魂を刈り取り、地獄にいる閻魔大王のもとへまで連れていく。

それが、仕事だった・・・・のに、それだけが、死神の存在理由だったのに。

「わあぁぁぁぁーい」

「最高!」

どうして・・・・なんで、「仕事以外で、存在しているの!」

シズという死神は、叫んだ。その姿は、黒い髪に、紫の瞳。とても、死神とは思えない可愛らしい姿だった。

プールで遊んでいたシズの両親が、シズに近づいてきて言う。

「シズ。あなたね。この時代死神が働くなんてありえないのよ」、とシズの母は、言うが、「でも!死神って、人間の魂を閻魔様の元へ、連れて行くのが、仕事でしょ。それが、存在意義でしょ!それが、どうして、プールで遊んでいるの?」、とシズが、言い返す。

「まあ、母さん。シズも自分が生まれた意味を知りたいんだよ」

シズの父は、穏やかな笑顔で母に言った。

「お父さんもお母さんも、死神でしょ。なんで、現世に行かないの」

人間の社会のルールや習慣が変わるにつれ、地獄のルールや習慣も変わっていった。そして、死神の仕事がなくなったのは、閻魔大王のある言葉を地獄記者に、言ったからだ。

「閻魔大王様も、「死んだ人間だけ裁けばよい」、と言ったのよ。だから、死神はいらなくなったのよ」

母は言うが、シズは納得ができなかった。

現世でいう深夜に、シズは置手紙を残して、家を飛び出した。シズが、向かった場所は、現世への入り口が封印された洞窟だった。




「きゃあああ」

「黙れ、おい!ここに金入れろ!」

顔を覆面で、隠した男が、黒いケースを銀行員に見せつけて言った。

「わかりました」

銀行員が恐る恐る黒いケースに、お金を入れていく。

「さっさとしろよ!」

顔を覆面で、隠した男が、銀行員に拳銃を突き付けた。その時だった。「ピロピロ」、と携帯の音が鳴った。

「誰だ!?」、と顔を覆面で、隠した男が言う。

「ああ、すみません。私です」

そこにいたのは、黒いローブを着た子供がそこにいた。

「誰だ。お前?」

「ああ、私は、シズと言います。銀行強盗さん」

シズは、自己紹介をすると、魂とり網を取り出した。

「なんだぁー、それ、虫取り網じゃねぇか」

シズは、銀行強盗の言葉を無視し、銀行強盗目掛けて、走り出した。

「死ね!」、と銀行強盗は、拳銃をシズに向けて、発砲した。だが、当たるはずの弾が、シズの体をすり抜けた。

「じゃあね。銀行強盗」

魂とり網を、銀行強盗目掛けて、振り翳す。

「ぐおっ」、と銀行強盗の魂が、抜けていた。それを、魂とり網で捕らえた。

「さて、これで・・・・あと99個だね」

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