「ぷれいやー」がいなくなった世界を闊歩したい

神々の余韻

かつて「ぷれいやー」と呼ばれた存在が支配していた世界では、もはやその名すら語られなくなって久しい。神々のように振る舞い、世界を形作っていた彼らの痕跡がいまだに残るこの世界では、あらゆるものが不安定であり、そして無常であった。

人々はもう、奇跡を望むことを忘れ、ただ日々を生きることに必死だった。

昔は、空に浮かぶ都市に住み、機械の力で自然を制御し、魔法のような技術を手に入れていた。しかし、今ではそのすべてが過去の栄光となり、荒れた大地に取り残された廃墟のように変わり果てていた。

それでも、人々は生きていた。

彼らは何かを信じることができず、希望を失いながらも、ただひたすらに生きていた。かつて「ぷれいやー」の力を借りて繁栄していた町は、今では劣悪な環境の中で人々が互いに競い合い、争っていた。

都市の片隅で、カリスという若者が一人、廃墟の中で目を覚ました。

彼は記憶を失い、気づけばすっかり変わり果てた世界で目を覚ました。神々のような存在はもうこの世界にはいない。それをすでに多くの者が受け入れ、諦めていた。

「ぷれいやー」の存在が消えてから数世代が経ち、残された技術もまた失われつつあった。

カリスは、手に入れた知識や技術を頼りに生き抜くしかなかった。しかし、いくら技術を再現しようとしても、神々の力を再び手に入れることはできなかった。

「誰か、神のような力を持つ者が現れないだろうか…」

それが彼の心の中で繰り返し浮かんでは消えていった、希望とも言えない願いだった。

彼が目指すのは、ただ生き抜くこと、そしてこの荒廃した世界を少しでも変えることだけだった。

だが、そんな彼の前に現れたのは、一人の少年だった。

その少年は、どう見ても異常なほどの力を持っていた。だが、その力は他の者が知っているような「ぷれいやー」の力とは違うものだった。

カリスはその少年に問いかける。

「君は、何者だ？」

少年は微笑みながら答える。「僕は、ただの普通の人だよ。でも、普通の人でも、できることはある。」

その言葉に、カリスは一瞬の間、何かに引き寄せられるような感覚を覚えた。

彼が心の奥底で感じていた希望が、わずかにでも戻ってきたような気がした。

だが、少年の背後には何か見えない力が漂っていた。それは、ただの「普通の人」には決して感じることのできない、強大で深遠な力だった。

カリスはその少年に引き寄せられるように、共に歩むことを決意する。

しかし、彼の前に立ちはだかるのは、ただの荒廃した世界だけではなかった。

かつて「ぷれいやー」が守っていたものを求めて、様々な勢力が動き出していた。力を取り戻すために、どんな手段でも使おうとする者たち――。

そして、カリスと少年は知らずにその力の中心に足を踏み入れようとしていた。