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「小森さん、二人三脚に使う鉢巻きの本数確認して貰える?それが終わったら、着順札のコピーを大量にしといて貰いたいんだけど」
「分かりました」
実行委員長の
まどかが色別に本数を数えていた、その時。
「手伝おうか?」
「ありがとうございまっ……か、上條くんっ!」
「1人でも多い方が早く終わるだろ」
「え、でも……」
「実行委員長~~!部外者ですけど、手伝ってもいいっすか~?」
「ぉおっ?!噂の上條くん?!」
「小森待ってるんで、手伝ってもいいっすか?」
「あっ、うん!是非ともお願いします!!」
「ちょっと~っ、困るからあぁいう言い方!」
「何で?」
「……」
「悪いことしてるんじゃないんだし、早く終わらせて帰るぞ」
実行委員の人達の視線がまどかと上條に向けられる。
まどかは恥ずかしくて、顔から火が出そうだ。
つい数日前に打ち合わせをしていた時に、『小森さんって、
『どうなの?どうなの??』としつこく先輩たちの質問攻めにも遭っていた。
*
最後の手順打ち合わせを終え、締めの挨拶を終えると。
廉とまどかの周りに実行委員の人達が、どっと一斉に集まった。
「ねぇ、上條くんって、やっぱり小森さんの彼氏なの?」
「やっぱり?……いや、まだ彼氏じゃないですけど」
「まだ?」
「今目下口説き中なんで、この中に小森狙ってる人いたら俺とガチ勝負っすね」
悪びれる様子もなく言い切った廉。
有言実行とばかりに予防線を張り巡らせる作戦らしい。
「おっ、上條!お前、顔だけじゃなくて中身もめちゃくちゃカッコいいな」
「あざっす。小森を誰にも渡したくないんで」
「きゃぁ~~っ!!」
「何それぇぇぇ~~!言われてみたぁ~いっ!!」
「お前、マジで、すげぇなっ」
黄色い声を出す女性の先輩たち。そして、清々しいほどに言い切った彼の言葉に、男子生徒の好感度は爆上がりのようだ。
余裕の笑みを浮かべ、視線を寄こす彼。そんな彼を見据え、私の鼓動は激しく脈を打っていた。
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