2
「で、どうなの?2人は付き合ってるの?」
「……付き合ってないよ」
「それ、本当?どう見てもこれ、付き合ってる2人にしか見えないんだけど」
「……」
何枚かある写真の全てに写っている上條くんの表情が、学校では見せない優しい笑顔のものだからだ。
「上條くんはみんなの上條くんだから、彼女じゃないなら、あんまり近づかないで貰える?」
「っ……」
「上條くんと仲良くしたい子がたくさんいるのは知ってるでしょ?席が近いってだけで特権振りかざすのは止めて貰いたいんだけど」
「……」
「ねぇ、聞いてんの?」
「……ん」
上條くんがモテてることは分かっていたのに。
いつからだろう?
親しいと勘違いしてたのは。
結城さんが指摘するように、別に彼女でもないのにデートだなんて勝手に思い上がっていた。
単なる御礼がしたかっただけなのに。
別にそれ以外の感情を抱いてたわけじゃない。
「小森さーん、会議行けそう?」
「あっ、はい」
1組のクラス委員の
「結城さん、ごめんね。これから会議があるから」
「言いたいことはそれだけだから、ちゃんと覚えておいて」
「……うん」
微妙な空気が漂う。
別にまどかが悪いことをしたわけじゃないのに、責められてる雰囲気になってしまう。
そんな気まずい雰囲気を悟った中島が、『早く行こう』と催促して来た。
「さっきはありがとう」
「それは全然構わないんだけど、もしかして上條くんとのこと?」
「へ?」
中島の元に駆け寄ったまどかに、中島は心配そうにまどかに視線を向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます