3
「そう言えば、虎太郎君も今日来てるよ」
「え?」
「高校に入ってからあまり会えてないからって、朝陽君が虎太郎君の分も予約入れてくれて」
「そうなんすね」
「終わったら、3人でいっぱい遊んでおいで~」
「はい」
自宅が空手道場で、父親が元オリンピックの金メダリスト。
高校は廉と朝陽のいる進学校ではなく、空手が強豪の高校(白修館)に進学した。
毎日部活と自宅での練習が忙しく、空手中心の生活をしているらしい。
*
「虎太」
「廉っ!」
「見ないうちにますますデカくなったな」
「朝陽だけかと思ったら、廉もいたんだ」
「悪いな、俺もいて」
「いや、そういう意味じゃ」
「フッ、分かってるって」
向かいの個室から出て来た虎太郎とグータッチを交わす。
「すみません、朝陽はもう終わってますか?」
「朝陽君なら、待合室にいる女性と話してますよ」
近くにいたスタッフに声を掛けると、案の定、朝陽は女性とトーク中らしい。
ったく、放っておくとすぐこれだから……。
「さすが、朝陽」
「だな」
虎太郎と一緒に待合室に行くと、20代の女性2人と楽しそうに会話してる朝陽を発見。
「朝陽」
「おっ、2人とも終わった?」
「おぅ」
「さっき話した、幼馴染の2人です」
「やだぁ~っ、3人ともすっごいイケメン♪」
「今時の高校生って、こんなレベル高いのッ?!」
「今日この後時間あったら、ご飯でもどう?お姉さん、奢っちゃう♪」
「あ、すみません。俺ら3人で遊ぶ約束してるんで」
あえて遊ぶ約束はしてないけれど、俺の顔色を汲み取った朝陽は、さらっと断った。
「それじゃあ、またどこかで。廉、虎太、行こう」
「おぅ」
残念そうな顔をする女性2人に会釈し、朝陽は俺らの元に来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます