6月下旬。

 本格的に梅雨に入り、毎日しとしとと雨降りな日々が続いてた、そんな中、珍しくカラッと晴れた日。


「まどか、最近真島さんに目付けられてない?」

「……そんなことないよ」

「そう?今日の体育の時もそうだけど、なんか闇雲に突っかかって来てる感じするんだよね」

「……気のせいじゃない?」


 和香が見ててもそう思うのか。

 確かにこのところ、エスカレートするように真島さんからのアプローチが激しくなったように思う。

 まぁ、大体の察しはつくけれど。


 今月初めにあった制服検査で私がずばり彼女を注意したからだ。

 違反した彼女が悪いんだけれど、他の生徒もいる前で容赦なく注意したのが原因だろう。


 これまでも、逆恨み的な攻撃を喰らったのは一度や二度じゃない。

 小学生の頃からクラス委員を率先してやって来て、それなりに反感を買うことも多かった。出しゃばりだとか、女帝だとか、散々言われて来たけれど。

 間違ったことをしているわけではないから、私は常に堂々と胸を張っている。


 靴を隠されたり、机に落書きされることもしょっちゅう。

 言いたい人には言わせておけばいい。

 相手にするのが一番よくないと分かっているから。


 心配そうに見つめる和香に、にこっと笑顔で応えてみせる。


「委員長~、岡部おかべ先生(担任)が職員室に来いだって~」

「あ、は~い。和香、ごめん。ちょっと行って来る」

「ん~、いってら~」


 クラスメイトの男子に呼ばれ、職員室へと教室を後にした


**


 放課後。

 担任に頼まれた席替え用のくじを作り終わり、帰る支度をしていると。


「小森さん、ちょっといいかな」

「……ん」


 いつも真島さんと一緒にいる女子2人が声を掛けて来た。


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