第17話:コスプレイベントのことが姫にバレる。

俺と姫が学校へ出かけてる時は、さすがにブッダーもUFOに帰っていた。


俺は複雑だった・・・。

もし姫が星に行っちゃうと、たちまち俺に自由がやってくる。

でも、帰ってほしくない気持ちも半分ある。

世間的には兄妹であっても血は繋がってないんだから愛し合ったっていいんだし、

俺たち一応お互いを認め合った仲。

自分に彼女がいるって悪くない気分だし・・・。


でも・・・それでも俺は一度は白雪 姫に会ってみたいと思った。


きっとヨコチもイベントに来てるだろうから彼女を紹介してもらおう。

当然このことは姫は知らない。


これって浮気になるのかな?

やっぱり気持ちの上で誰かに少しでも気持ちが傾いたら浮気だよな・・・。

ごめんな姫。


どうしようもないんだ・・・俺は俺の気持ちを確かめないと、こんな浮わついた

気持ちで本気で姫を好きになれない気がするんだ。

卑怯だと思うよ。

でもちゃんと俺の中で答えを出してから姫の気持ちに応えたい。


イベント開催日は当然休日。

姫に内緒で出かけるのめちゃ難しかった。

そっと家を出ようとしても姫にどこに行くんだって聞かれる・・・

なんて言い訳すればいいんだか・・・。

もちろん雪雪に会いに行くなんてクチが裂けても言えない。


困った。


なんて悩んでると・・・


「こんなのツッキーの部屋で見つけた・・・」


姫がそう言って二階から降りてきた。

パンツ一丁なのにはもう慣れた。


それは白雪 姫がコスプレってるブルーヘブン・ファンタジーのキャラ

セルジュ・フォン・ヴァルディックの画像だった。

ダウンロードしてプリントアウトしてあったのをパソコンの前に置いたままに

なってたんだ。

うかつだった。

姫は俺の部屋に普通に入って来るからな・・・。


「この人、私のクラスの同級生、白雪 姫さんだよね」

「コスプレしてるけど間違いないよね」


「そうだけど・・・・あのな、俺はただのファンだってだけだから」

「俺、そのゲームのキャラが好きだから・・・プリントアウトしただけ・・・」


「浮気者・・・」


「なんでだよ・・・」


「ヘタレのヨコチから私のスマホにLINEが入ってたよ・・・」

「今日のコスプレイベントにツッキーが来るって」

「白雪に会いに来るって・・・」


「あのヘタレバカ・・・余計なことを」


「イベントになんか行かないよ、なに行ってんの」


「行かないの?」


「ああ、行かない、ヘタレのヨコチとはイベントの話はしたけど行くなんて、

ひとことも言ってないし・・・」


「なんで行かないの?」


「なんでって・・・」


「私も行く」


「は?」


「だから、私もそのイベントに行くから」


「行ってなにするつもり?」


「白雪になんか負けない」


「負けないって・・・暴力はふるうなよ」


「そんなことはしないよ」

「私もコスプレしてそのイベントに乗り込むから」

「まだ、支度する時間あるでしょ」


「たってさ・・・いきなりコスプレって言ったって衣装もないぞ、どうすんだよ」


「大丈夫・・・衣装はブッダーが用意してくれるから」

「ブッダーの娘さんがコスプレーヤーだから、たぶん衣装は揃うよ」


「うそ〜仏像仮面ってどこまで日本カブレなんだよ」

「日本のカルチャー文化は海外だけじゃなく遠い宇宙にまで広がってるんだ」


舐めんなよコスプレ。


つづく。

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