第16話:居座る仏像仮面ブッダー。
「という訳で、姫が幼少の頃、彼女の命を救ったのは、それがしでござる」
「それ以来、今日までずっと姫を見守っていたでござるよ」
「それがしの存在は人には知られるとマズいと思って姫とは内緒で会っていた
でござる」
「それがしは、ただ姫のことが心配だっただけでござるよ」
「もし、この地で不自由なことがあったら姫をわが星に連れ帰るつもりでおった
でござる」
「連れ帰るって?」
「姫はもとは、この世では生き残れなかったかもしれない命でござるからな・・・」
「それを無理やり我々が蘇生した責任があるでござるよ」
「姫さえ、よければでござるが・・・我々の星に移住すれば、それが一番よいのでは
と考えてる次第でござる」
「姫は・・・姫は?・・・ブッダーと一緒に行きたいのか?」
「行かないよ・・・私にはツッキーがいるもん」
「どこにも行かないってブッダーにもそう言ってあるよ」
「それがし、貴殿と姫の日々を見てきて思ったでござるが貴殿は、姫にとって
なくてはならない存在のようでござるな」
「貴殿は姫を正しい方向に導いてくれる羅針盤のような存在とお見受けいたした」
「欲望に駆られて禁を破るような方ではないと・・・」
「仏像仮面さん・・・満月の夜の俺たちのやり取りも聞いてたんですか?」
「・・・・・・・」
「それって盗撮、盗聴と変わんない行為ですけど・・・」
「姫の後見人としては・・・いたしかたなく」
「後見人って・・・・」
「それでもプライバシーの侵害ですよ・・・今後やめてもらえます?」
「承知つかまつった・・・悪かったでござる」
「ですが、満月の夜以外は、それがしはここで、おふたりの動向を観察させて
いただくことにしたでござるよ」
「え〜っ・・・ブッダー、ここに居座るつもり?」
ブッダーに居座られると思った姫がクレームを出した。
「ダメダメ・・・私とツッキーのラブラブな時間を邪魔しないで?」
「けっして、おふたりの邪魔はいたしませんゆえ、ご安心を」
「お疑いなら満月の夜はUFOに帰ってることにするでござるよ・・・」
「ああ、ぜひそうしてください・・・」
「え?で?・・地球まで乗ってきたUFOは?今どこにあるんですか?」
「UFOは月の裏に駐車してあるでござるよ」
「ここのベランダにはUFOから転送して来たでござる」
もうジャンルがラブコメじゃなくSFになってないか?
「あのさ・・・ブッダー悪いけどずっとUFOに帰っててくれない?」
「ねえ、ツッキー、ツッキーもそう思うでしょ」
「まあ、邪魔さえされないなら俺はいてもかまわないと思うけど・・・」
「ええ〜まじで〜」
「そこまで嫌がらなくても・・・ご迷惑はおかけいたしませんでござるよ」
「でも、自分のことは自分でやってくださいよ、俺たちは感知しませんから・・・」
「では、決まりでござるな、南無阿弥陀仏・・・南無阿弥陀仏」
「あ、思い出した、そのセリフ、敵をやっつけた時に敵に向かって
言ってたやつ」
ってことで、仏像仮面が我が家に、いついてしまうことになった。
家の中に、昔のヒーロー仏像仮面ブッダーがふつうに、うろうろしてるって、
どうなの?
誰かきて、仏像仮面を見たらなんて思うんだろう・・・?
まあ、普通にいい年したおじさんが昔のヒーローのコスプレしてるって思う
んだろうな・・・異星人とも知らずに・・・。
まあ、いいか・・・どうぜ本当のことを言っても誰も信じてもらえそうに
ないし・・・。
つづく。
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