第15話:仏像の仮面を被ったヒーロー。
ってことで、俺はその異星人・・・とやらに会うことになった。
姫が異星人と話をつけてくれたらしい。
姫がベランダから異星人を呼んでくれるみたいだ。
テレパシーとやらで・・・テレパシーまで使えるのか?もうなんでもありだな。
しばらくするとノイズが入ったデジタル画像みたいな映像が現れてはっきりとした
形になったと思ったら異星人「ブッダー」だろう人物がベランダに立っていた。
俺は、なんか異星人って有名なタイプ「グレイ」みたいなやつかと思っていた。
でもブッダーは身長も俺とさほど変わらないし、なんでか知らないが仏像の面を
かぶっていた。
・・・・なんで?
その時、俺は気づいた。
そう言えば俺の子供の頃ヒーロー物ブームがあって猫も杓子もヒーロー物に
ハマっていた頃、仏像の仮面を被ったヒーローがいたっけ。
人気がなかったのか、すぐ打ち切りになったけど・・・。
たしか・・・「仏像仮面ブッダー《ぶつぞうかめん》」
金属っぽい黄金の色をした仏像の仮面を被ったヒーロー。
それだ・・・なんで異星人が仏像仮面?の格好してるんだって思うよね。
体も仏像仮面とそっくりで、手袋にブーツ・・・長めのマント・・・
そっくりだった。
ブッダーはおよそ異星人らしからぬいでたちで俺の前に現れた。
(訳わからん・・・)
「ツッキー紹介するね・・・こちらブッダー」
「ブッダー、こちらツキオ・・・私の彼、ツッキー」
「どうも、ツッキー殿、はじめまして・・・ブッダー・ジャイア
・マハーディーラ・ガウマタ・シッダールナ・アーナンガ・ハマー・
プラシャーナティー・アデルヴァ・ヴェーナアーンギラナでござる」
「え〜・・・なげえ名前・・・」
「またの名を、仏像仮面ブッダーでござるよ」
「ご、ござる?って・・・侍?」
「ツッキー殿・・・貴殿のことは姫から聞いてよく知ってるでござるよ」
「あ、そうなんですか、それはどうも・・・って日本語おかしくないですか?」
「なんで、時代劇風な喋り方なんですか?」
「姫の面倒を見なければなりませんゆえ・・・日本語を勉強してたでござるよ」
「映画なんかも好きでよく見てたでござる・・・」
「たとえば、るろうに剣心とか・・・」
「ああ・・・なるほどね、カブれてるんだ・・・」
「どこの星の人も同じなんですね」
「で?なんで仏像仮面なんですか?」
「ああ、昔、日本のテレビでやっていた仏像仮面ですが、あれは実はそれがしで
ござる」
「え?・・・あの特撮って中に人が入ってやってたんじゃないんですか?」
「当時から、それがしはこの地球に来ていてバイトでテレビ出演なんか
してたでござるよ」
「それ、マジですか?・・・本人が本人を演じてたって?」
「そうだ、素朴な質問・・・その仮面の下の顔・・・気になるんですけど・・・」
「仏像仮面ブッダーは謎の人でござるから、お見せすることは、できないでござる」
「ご勘弁願いたい」
姫はなんのことやら分からないらしく、ボーッと俺たちの話を聞いていた。
つづく。
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