第14話:ブッダーって言う異星人。

本気じゃなかったとしても白雪 姫しらゆき ひめに、うつつを抜かすのは

やめよう。

姫と恋人同士になることをおっけ〜したばっかなのに、他の女に気持ちが傾く

ってのは絶対よくないよな・・・。


姫に悪いっていうより、そんな中途半端な気持ちでいたら白雪どころかいずれ

は姫も失うことになるかもしれない。


とにかく、この思いに決着をつけるためにも白雪に会わなきゃ。


え?・・・会うんかい・・・(⌒-⌒; )


そして、とうとう俺は家の中で姫と誰かが話してるところをはっきり聞いたし、

そして見た。

それは、台所でだった。

たしかに姫は誰かと話していた。


「姫・・・いいか?・・・今、誰と話してたんだ?」


「あ、ツッキー・・・・誰とも話してないよ」

「いや、話してただろう?・・独り言にしては、ちゃんと会話になってたぞ」

「おまえ、おかしいぞ」


「・・・・・」


「また、だんまりか?」

「都合が悪くなると、そうやって黙る・・・」


「いったい誰と話してるんだ?」

「俺って、おまえと一緒に暮らしていながら、おまえのこと知ってるようで、

何も知らないんだな・・・そんなんで彼氏なんて言えるか?」


「ツッキー・・・あのね・・・驚かないで聞いてくれる?」

「実はね・・・私は小さい時から、ある人とずっと繋がってるの」


「ある人って・・・天涯孤独なんじゃなかったのか?」

「そう、人間の親は、みんな亡くなっちゃってるからね・・・そういう意味では

ひとりぼっちだけど」

「あ、今はお父さんもツッキーもいるけどね・・・」


「じゃ〜誰と、誰と繋がってるって言うんだ?」


「私の命を救ってくれた人・・・遠いところから来た人」


「それって、まさか・・・異星人のことを言ってるのか?」


すると姫は小さくうなずいた。


(おいおい、普通にラブコメかと思ったらSFチックになってきてないか?)


「だとしても、なんで、そいつと・・・異星人とこそこそ話してるんだよ」


「異星人が民家にいることを人に知られると大騒ぎになるでしょ」


「普段、彼は見えないんだよ・・・だから私が一人で喋ってるように見えたでしょ」

「だけど、やましいことは全然ないからね」

「異星人は・・・その人の名前は「ブッダー」っていう人なんだけど、

ブッダーは、今まで私のことをずっと見守っていてくれたの・・・」

「私に関わった者としての責任があるんだって・・・」


「だから今日まで私の成長を見ててくれたの」

「でも、ツッキーにバレちゃったからね」


「そうか・・・そういうことなんだ・・・」


「ビビった?・・・引いちゃった?今の話聞いて・・・」


「いや、そういう訳じゃないけど、ほら現実離れしたこと言われてると

ちゃんと理解するのに時間がかかるだろ・・・」

「親父の話といい、今の話といい繋がってるんだな」

「でも姫がいつも、誰かとしゃべってるふうだったから心配してたんだ」

「頭がおかしくなったのかと思ってさ・・・」


「ごめんね・・・でも、もうツッキーにバレちゃったから隠す必要ないね」

「だから今度、ブッダーを紹介するね」


「うそ・・・俺、異星人と会うのか?」


「だね・・・」


「俺、腹に卵産みつけられたりしないよな、食われたりしないよな」


「それって映画のエイリアンの見過ぎだよ」


つうか、気づきました?

最近、あれだけ悪かった姫の口調が柔らかくなってきてるってことに・・・。


つづく。

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