25 砂漠の迷宮

新たな狩猟場「砂漠の迷宮」に到達したのは、日が沈みかけた頃だった。

辺りは深い金色の砂嵐に包まれ、地面がひび割れたように見える。

砂が空を舞い、太陽の光を遮る。そこはただの砂漠ではなく、生きているかのように変化し続ける地形を持っていた。


「ここが砂漠の迷宮か……」俺はその場に立ち、砂嵐の中をしばらく見つめた。


神威の声が響く。「この地はただの砂漠ではない。魔物と共にこの地形そのものも動いている。油断はできぬぞ。」


「分かってる。こいつの動きがどうしても気になるな。」

俺は前方の砂の流れを見つめ、その動きが意図的であることに気づく。

砂が急に動き出すような感覚が、俺を警戒させた。


その時

砂の中から

何かが現れる気配を感じ

俺は身構えた


まるで砂が生き物のように動き、巨大な魔物が現れる瞬間だった。


「サンドハイドラ……再生能力を持った巨大な竜か」神威の冷静な声が響く。

「あの魔物は再生する。地形を利用しろ。」


俺は霊刃を握り、戦闘の準備を整えた。「再生…倒す方法を考えないとな。」


サンドハイドラがその大きな体を砂から引きずり出すようにして現れ、周囲を震わせながら近づいてきた。

四肢が巨大で、砂を巻き込みながら足元を進む様子はまるで動く砂の塊のようだ。

だが、俺の目は冷静だ。この相手を倒す方法が必ずある。


「サンドハイドラはその能力を使って何度も復活する。しかし、再生力を封じれば倒せる。地形を操作して、奴を封じる方法を考えろ。」神威の助言に従い、俺は周囲の砂の動きに注意を払いつつ、次の手を考えた。


砂が再び動き出し、ハイドラが怒りの咆哮を上げて俺に突進してきた。その動きは一瞬で、俺の目の前に迫る。


「いかせるかよ!」俺は足元に魔法陣を展開し、一瞬で動き出した。

砂の流れを操る魔法で、砂の動きに合わせて障壁を作り出す。

これで奴の動きを封じることができれば、あとは攻撃を集中させるだけだ。


だが、ハイドラは一度攻撃を避けた後、すぐにその巨大な尾を振り回し、周囲を巻き込む。

俺は素早く飛び退き、次の攻撃を仕掛けるタイミングを計る。


「魔法陣を展開しろ、次の手を考えろ。」神威が冷静に指示する。


その言葉に従い、俺は魔法陣を再び展開。

手元の力を最大限に引き出し、炎と氷の魔法を組み合わせて放つ。

炎が砂を焦がし、氷がその隙間に侵入し、ハイドラの再生を阻害する。


「いけ!」黒炎の霊刃を一気に振り抜き、ハイドラの右足を切り裂く。

黒炎がその部分を包み込み、動きが鈍る。


ハイドラが呻き、痛みに反応するが、すぐに砂の中に潜り込む。

再生の力が働く瞬間、俺はその動きを止めるために、さらなる魔法を駆使する。


地形を利用し、砂の流れを操作して、再びハイドラの動きを封じ込める。

そして、霊刃を構え、再度の攻撃を加える。


「終わりだ!」俺は全力で黒炎を吹き込んだ一撃を、ハイドラの腹部に突き刺す。

黒炎が中から広がり、その巨大な体が次第に崩れ落ちていった。


最後の一撃が決まると、ハイドラは完全に崩れ落ち、砂と共にその姿を消した。


戦闘が終わった後、俺は立ち上がり、呼吸を整えながら深い息を吐いた。

冷たい風が吹き、砂が舞い上がる中、戦いの余韻が残っている。



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