18 狩猟者と被狩猟者
影縛りの巻物が展開した魔法陣は
淡い光を放ち
巨体の魔物を
縛り付けていた
だが、その拘束は奴にとって一時的な足止めにすぎない。
拘束された四肢が軋むたびに地面が震え、影が渦を巻くように踊り出す。
空中からその様子を見下ろしながら、俺は霊刃を握り締めた。
目の前の獲物は過去に狩ったどの魔物よりも強大で――そして、狩り甲斐がある。
「奴の動きが拘束を超え始めている。影縛りの効果が切れる前に仕留めろ。」
神威の冷静な声が霊刃を通じて響く。
俺は笑みを浮かべた。
「わかってる」
魔法陣を展開し、左手に魔力を溜め込む。
凍りつく冷気が指先から広がり、俺の息が白く染まった。
「凍てつけ――『氷柱の牢』!」
地面から無数の氷柱が立ち上がり、巨体を包み込むように絡みつく。
鋭利な氷柱が奴の体表を削り、黒い鱗が裂け、血が吹き出して地面を赤く染めた。
冷気が奴の動きを鈍らせるたびに、俺はその苦悶の様子を冷静に見下ろした。
だが、奴の咆哮が闇に響いた瞬間、衝撃波が放たれる。
氷柱が砕け、俺の体に叩きつけられる風圧が全身を襲った。
胸に重い痛みが走るが、俺は動きを止めない。
「これでどうだ」
息を整えながら、さらに魔法陣を展開する。
拘束されたままの巨体が激しく震え、その胸元が青白い光を放ち始める。
その光はまるで奴の内部にエネルギーを溜め込み、解き放つ準備をしているかのようだった。
「時間がないぞ。奴を叩け!」
神威の警告が鋭く響く。
俺は高度を下げ、霊刃にさらに魔力を注ぎ込む。
刃先に渦巻く黒炎がさらに熱を増し、俺の手元に焼けるような感覚を伝える。
「燃え盛れ――『烈火の刃』!」
霊刃を振り下ろすと同時に、黒炎が獲物の巨体に叩き込まれる。
刃が外殻を貫き、焼け焦げる肉が裂け、焦げた血の匂いが鼻を突いた。
轟音とともに裂け目から露わになった内部は、青白い光を放ちつつ脈動している。
奴は咆哮を上げ、体を激しく振り回して拘束から逃れようとするが、俺は空中へと飛び退る。
再び魔法陣を展開し、雷撃系の魔法を発動する。
「沈め―『雷槍』!」
天空から落ちる雷の槍が巨体の中心部を貫いた瞬間、弾ける雷光が奴の肉を裂き、内部で炸裂する音が響く。
衝撃で裂けた肉片が周囲に飛び散り、黒い血が地面に降り注いだ。
奴の動きが一瞬止まるのを見逃さない。
俺は霊刃を掲げ、全ての魔力を込めた一撃を放つ。
高度を急降下しながら、巨体の懐に飛び込む。
霊刃を核に向かって突き立てると、刃が内部を貫き、黒炎が一気に爆発した。
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