青の世界に、溶けてゆけ！

第13話 千紗のアイデア帳

　麗子さんは顎に手を当てて、真剣に図面を見ていた。「とてもよく考えられているわね。」

　「それからこれです。」千紗は端の模様を指差した。「各機能エリアは異なる染色のレイヤーで区分しています。波紋状の模様は底部の凹型周囲で、カップを置く場所です。側面の点状グラデーションはメッシュポケットの位置に対応しています。カードポケットのフレームは細いラインで飾っています…。」

　「次に！」彼女は興奮して次のページをめくった。紙には独特なリングノートのデザインが描かれており、表紙は藍染めの布で丁寧に包まれ、光の下で繊細なグラデーションを呈している。内ページは特殊な印刷デザインで、枠線の配置が藍染めの模様を連想させる。

　「これを『ゆらぎノート』と呼んでいます！」千紗は大切そうにサンプルを開いた。

　「リングデザイン？」そばにいたデザイナーさんも興味深そうに近づき、藍染め布で包まれた表紙を見つめた。

　「そうなんです！」千紗の目は輝いていた。「一番特別なのはこの表紙で、どれも唯一無二の藍染め作品です。このグラデーション効果は、内ページのレイアウトに呼応するように特別にデザインしました。」

　彼女は内ページをめくった。「各ページには3種類の基本的なレイアウトが選べます。この6コマのデザインは漫画のコマ割りからインスピレーションを得ていて、要点を整理するのに特に適しています。この発散型のフォーマットは社会科の授業でよく使っています。そしてこのタイムライン式は、歴史や物理に特に役立ちます。」

　「おお！」デザイナーさんは内ページの印刷デザインを指差した。「これらのグラデーションの線は…」

　「藍染めのにじみ効果を模してデザインしました！」千紗は興奮して説明した。「印刷ですが、この線の層次感は藍染めのグラデーションに似ていませんか？さらに各ページに余白を残しているので、ユーザーが自由に活用できます。」

　彼女は素早く別のページをめくった。「一番特別なのはこのデザインで、ページを自由に組み合わせられます。レポートを作成するとき、関連する内容を一緒にして、完全な思考の流れを形成できます。」

　「それから、」彼女はページのデザインを指差した。「キーワード枠、重要ポイント要約欄、疑問マークエリアは、異なる濃淡の青色で印刷して区別しています。これで復習するとき、重要点や疑問点が一目瞭然です。」

　麗子さんはノートの藍染め表紙を優しく撫でた。「ということは、デザインの核心はこの表紙なのね？」

　「そうです！」千紗は興奮して言った。「各ノートの表紙は独特の藍染め作品なので、使うときにも愛着が湧きます。内ページのデザインは印刷ですが、全体のスタイルは統一されています——」

　千紗は自分の世界に浸り、滔々と話し続けた。

　「他にもアイデアはあるの？」麗子さんはお茶を注ぎながら、穏やかに尋ねた。

　「もちろんです！」千紗は自分のノートを開いた。「これは試験用に特別にデザインした文具セットで、表は普通の藍染め模様ですが、裏には時間表があって計時できます…」

　「それからこのクラブサバイバルパック！」僕は思わず口を挟んだ。「変形できる収納パックで、一面はクッションとして使え、もう一面は撥水加工が…」

　「おい、千紗。もう五時半だぞ。材料屋、六時に閉まるんだろ？」と僕は声をかけた。

　「ん？もうこんな時間。」千紗は壁の時計を見て言った。「えっ、やばい！」

　千紗は慌てて資料を片付け始めた。

　僕は思わず溜息をついた。結局、千紗が一方的に話し続けるばかりで、相手からは何も有益なアドバイスをもらえなかったというわけだ。