第58話
「店長、私この人と結婚します!ごめんなさい、バイト辞めます」
次の日、バイト休みなのにお店に行った。彼と。
「まーやちゃん?ん?」
「店長お願いします!私たちの保証人になって下さい!」
「え、彼?」
店長はびっくり仰天。仕方ないけど。
「そうです!私は海外についていきます。だから、早くしなくちゃダメなんです!わがままばっかりでごめんなさい」
「まーやちゃん…」
「店長さん、お願いします」
彼のお辞儀は丁寧だけど、髪型なんとかなんないのか?
「うーん、しょうがないなぁ」
保証人になってもらえた!奥さんにも保証人になってもらえた!ラッキー!それから、大学辞める手続きがあったけど彼は忙しそうなので自分で頑張った。勢いでこんなことしてて、ほんとに大丈夫なのか不安になる。
私はどこに行くの?
「え、学校辞めたの?」
「はい」
研究室の人たちにも報告した。
「花田と結婚したら辛い目に会いそうだけど…」
「可哀想…」
「大丈夫です。じゃあ帰ります」
「花田、どう言いくるめたんだ?」
「まーや、送ってくよ」
私、彼と頑張るんだから!
「あなた、お願いがある」
夜道を歩きながら、話す。
「なーに?」
「うちに泊まって」
「ん?いーよー?」
「仕事はいいの?」
「ひと段落したしね?」
「帰らなかったら研究室の人達怒る?」
「いや?俺ほぼいないし?」
「今、キスして」
「ん?」
「お願い」
私のことほんとに好きなら。からかってないなら。本気なら。
「いいけど…?」
よかった…私の思い過ごしかと思った。女神には触れないのかな?とか。
「俺のこと好きになれそう?」
「私の好きなところはどこ?」
「優しくて、かわいくて、明るくて、」
「やっぱりいい。うちで話そう」
彼は、私よりずっと…
私を思ってくれてる。
「まーや、俺は幸せ者だ」
「そうやって考えられるあなたは、素敵、だと思う」
「なんか照れるなぁ。まーや、俺の家族になってくれて、ありがとう」
なでなでされた。やだ、きゅんとくる。
気のせい?彼は、…かっこいいよ。
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