第47話

「でー、住むのはいいけど、部屋はどうするかなぁ」


結局住むことになってしまった。


「そうねぇ、あ、こういうのは?」


奥さんの提案だと、いるかさんは奥さんと一緒の部屋で、妹さんは1人部屋、お兄さんはリビングのソファー、なぜか俺は綾くんの部屋。もっとこう、あるでしょ?せっかく夫婦なんですけど…?


「いいかな?」


またしても有無を言わせないような発言をする奥さん。


「いいでーす」


いるかさんによって勝手に決定された。これはいちゃつくなと言いたいのか?有無を言わせず決まったけど、なんとなくみんなでご飯を食べて、寝ることに。

年頃の綾くんの部屋に勝手に住むことになって申し訳ない。いや、同い年だけど。


「今日は荷物ないけど、明日は持ってくるから…部屋狭くなるかも」


「別にいいですよ」


見た目によらない優しさ。しかもちゃんと勉強してるような部屋だ。ベットも譲ってもらい、すやすやと眠った。…が、深夜に目が覚めた。ガサガサと音がしたからだ。綾くんは、なにやら外出するのか着替えていた。


「綾くん?なにしてんの?」


「あ、気にしないで寝ててください」


「どこ行くの?ホテル?」


「な、違います!バンドで…」


「へぇーバンドやってんのか」


世界違くね?都会はなんと恐ろしいところだ!俺の同級生でバンドやってる人とかだーれもいなかった。ただのヤンキーばっか!しかも田舎のね。艶耀えんようは元気かな、ぐれてないだろうか?

綾くんは勉強してるくせに夜中はバンド?しかも金髪とか絶対よくないよね?校則違反だ。バイトとかもしてたら、やる気あんのかないのかはっきりしろよ!って怒鳴り散らしてやる。俺はお兄ちゃんだし?

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