第45話

「あなた~呼んできたよ」


「なんの騒ぎ?」


若い子が2人出てきた。


「いるかがわざわざ来てくれたぞ」


「え?いるか、おばさん!?」


男の子が驚きの声を上げた。


「おばさんじゃないし!お姉さんでしょ?あや真矢まやも大きくなったね!」


その言い方がおばさんなんですけど、いるかさん。


「綾、お前いるかの旦那の優くんと同い年だぞ?」


「え?」


きょとんとする彼は、都会っぽく金髪で長髪を結んでいてピアスしてて…って彼はヤンキー?でも一応制服は着てるし…


「えーっとよろしく!綾くん?って言うのかな?」


「…あ、はい。一応本名はりょうなんですけどアヤでいいです」


ニックネームかなんかなのか?


「俺のことはすぐるって呼び捨てにしていいから!同い年だしね?ため口でOKだよ」


「え、それはちょっと…」


「あんた馴れ馴れしくしすぎよ!綾が困ってる」


いるかさんに背中をどつかれた。甥っ子やっぱかわいいのかな?


「あ、そっちの子は妹さんですか?」


奥さんにそっくりな顔で、中学の制服っぽいのを着た女の子。


「はい、妹の真矢まやです。よろしくお願いします…お兄さん?」


「はい、よろしく!」


お兄さんだって!すごい!嬉しいぞ!俺に妹とか…うける!


「なーんか仲良くなれそーね。よかった」


いるかさんは安心してるみたいだけど、俺的にはおばさんの夫が同い年とか超複雑だと思うんですけど。例えば、守お兄ちゃんの嫁が同い年とか、まじ無理!きもい!最低!


「そんで?優くんは…今は学生なのか?」


三つ編みのお兄さんは偉そうだ。


「まさか。中退しましたよ」


「てことは?いるかのヒモってわけか」


「まあ、ヒモに近いものです」


「ちょっと、なにそれ?ありえないんですけど、私そんなこと思ってないんですけど」


「だって俺ただのフリーターだし」


「あっそ!」


「ねぇ、いるかちゃん。もしかして…子供とかいるんじゃない?」


奥さんはいるかさんの腹を凝視していた。でもいるかさんってもともと痩せてる人じゃないし、今ひとつわからないんだけど。


「あ!そーなんですよぉ。で、今仕事してなくてぇ。まじ金に困ってるつーかぁ」


奥さんに嘘ついてる。ちゃんと貯金してあるくせに。


「そっかぁ。よかったら、うちに住まない?」


「え」


奥さん、なぜそうなるんですか?

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