第44話

いるかさんのお兄さんの家にいきなり行くことになった。行方不明で、得体の知れない人だけど、どうしたらいいのやら。


「あ、ここみたい」


到着してしまった。お兄さんのことを歩きながら聞こうとしたけど、教えてくれない。話したことは、名刺作りたい…なんで?そんなの今関係なくない?って言ったら怒るし。

で、お兄さんの家は…


店?


なんだここは。雑貨屋?なのか?


「いるかだけどー」


店内に呼びかける。誰も客いないのか?


「おー!来たかぁ」


店内の奥から出て来たのは、よくわからない模様でアジアっぽい格好というのか?アクセサリーとかジャラジャラして、しかも三つ編みの…これがいるかさんのお兄さん?全然似てない。


「ねー、奥さんは?」


「ちょい待てよ!いるかの旦那はそいつか?」


なんか、よくわからないおかしな人のようだ。思いっきり指さしてくる。


「そーよ」


「始めまして、足助優あすけすぐると申します」


「でけーな、おい」


「…え、すみませ」


「ねー奥さんは?」


いるかさんは自分のことばっかだ。


「待て待て。焦るなって。まーや!いるか来たぞー」


店内の奥に呼びかけるお兄さん。


「はーい、あら!いるかちゃん?!」


奥さんは、思ってたよりも普通の人だ。服も普通だ。


真綾まあやさん!お久しぶりですー!」


「元気だった?そちらが旦那さん?」


「そうですよ~優っていいます」


「え~なんか若そう。しかもイケメンっぽーい!おいくつ?」


「あ、18です」


イケメンだって。さすが見る目あるよ、奥さん。


「お、おーう。なんてこった!俺んちの息子と同い年じゃーん」


え、な、なんてこった!ややこしいことになる!これは…恐ろしい事態になった。


「えーー!うそぉ!あやはもう18なの!?」


いるかさんは謎の驚きを見せた。


「そりゃそーだぞ。そーいやさっき帰ってきてたよなぁ?」


「うん、ちょっと呼んでくるね」


奥さんはささっと店内の奥へ。できる嫁って感じだな。

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