第39話

「おい、どこいってたんだよ」


「迷子になってましたけど、なんとか楽屋行けました」


先人さんたちは表で待っていてくれた。なんと優しい。


「楽屋行ったんだね。なんかいいねぇー憧れるぅー!」


先人さん妻の柚香ゆかさんはテンション高い。


「別にたいしたことないですよ」


「冷めてやがる」


「足助くんはもっとこう、楽しかったーみたいな感じにならないの?」


「別にそんな興味ないし」


「まぁそのうち面白さにはまるわよ!私、毎回行ってもいいよ」


テンション高いよ…なんでだろう。

このことを帰ってきたいるかさんに報告すると、


「きゃー嬉しい!柚香さんまた誘おうよ!で?先人くんは?なんて?」


「別になにも?」


「ま、そうだろうね。で、優くんの感想は?ちゃんと聞いてなかったからぁー」


「そうだな…ちょい役すぎだね。もっと出たらよかったのにね」


「うふふ。見てくれただけでも嬉しいな。だって全然興味なかったでしょう?」


「そっすね」


「私、頑張ったよ?」


「お疲れ」


「ありがと。私、しばらく産休ということでお休みすることにしたよ」


「そうなんだ。お疲れ」


「その間、お金ないのでぇーちゃんと働いてよ?」


「…いるかさんのほうが貯金あるでしょうが。ま、働きますけどね」


「頼もしいこと!」

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