第29話
いつものように、レジに入った所、高原くんが入って来た。
「さっきの話、途中なんだけど!」
「え?」
「俺だけ知らなかったの?式はどうするの?」
「まぁ、そのうち話すよ」
なんにも決まってないけど。
「いらっしゃい。お、イケメンくん!」
あこ店長がやって来た。
「あこさん、バイト辞めます」
「は?いきなり何?」
「東京行くんで。結婚もします」
「は?妄想?」
「いるかさんと結婚します」
「はぁ?」
「まじです」
「こいつまじなの?アホなの?」
思わず高原くんに聞いてるし。
「そう、みたいなんです…」
「ありえん!くそ、いるかに電話してやる!」
高原くんの言うことは聞くんですね、店長。
「あ、噂をすればいるかさん」
「あら、イケメン!」
空気を読めないいるかさんである。
「ちょっといるか!結婚ってまじなの?」
「あら、もう話してくれたの?」
「うん」
「そうそう。で、美香ちゃんたちの劇団に行くの!受かっちゃったのよ!オーディション!」
「え?いつの間に?てゆーかまじでこいつ?」
すごい嫌そうな顔。あこさん、ブサイク極まりないな。
「あこも受けたらよかったのに」
いるかさんは別の話をしているではないか。
「ないな。てゆーかなんで教えてくれなかったんだ!」
「んー、忘れてた!」
「ぬぁんだと!」
「彼氏出来たって言ったじゃーん!」
「こいつとは聞いてない!」
「もーいいじゃないの~」
あー面倒になって、話す気なくなってるし。
「…それで?東京はいつ行く予定?」
「一週間後よ」
「早!」
「あのーいるかさん。物件なんですが、高原くんのお兄さんの
「あら、いいわね!」
「は?先人?なんで?」
突然話を振られて、戸惑う高原くん。
「先人さん優しいし。高原くんが、連絡してくれたら助かるなぁ〜友達だから」
「…わかった。連絡すればいいんだろ」
高原くんにお願いできた。さっき友達じゃなかったの?って言ってたからね。高原くんは結構単純なのだ。
しかし、俺たちには難関が待っているんだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。