第28話

次の日、家から学校へ行った。高原くんに、伝えないと。取り巻きいるけど、行くしかない!高原くんは、今日も学校に来ていたのでちょうどよかった。


「高原くん、今日時間ある?できれば高原くんの家で話したいんだけど…」


「え?なんでまた?」


「いつも話せないからさ」


「足助キモい!」

「なにしたいんだか!」


と言われても気にしない。


「艶耀もいるから、お願い!」


渾身のお願いポーズをする。


「バイトないからいいけど」


あーよかった。と思っていたけれど、放課後残された!あー、高原くんごめんなさい!

遅れつつ、高原くんの部屋へ。チャイムを鳴らすと、艶耀が飛びたしてきた。先に到着してたようだ。


「もー!遅いよー!」


「すみません。居残ってました」


「足助くん、とりあえず座ったら?」


高原くんに誘導され、いつものように座る。うーん、どう切り出そう?


「ところでさぁ、ジャムさんって元気かな?」


「さあ?」


「アメリカにいるんでしょ?一緒に住まないの?」


「なんでそんな話…」


「だから、そんな辛いならさぁ、他の人にしたら?」


「ひどい」


あ、そこまで嫌がられるとは。


「ごめんごめん。これはほんの雑談であって本題に入ると…」


「雑談とか、ひどくない?そんなの学校でも話せるよね?」


「いやいや、今から話すから」


「え?」


「俺、東京行くんだ」


「あーそう」


「学校辞めて、結婚する」


「は…?意味がわからない」


「高原くん、元気なくて言い出せなかったんだけど…彼女がいまして」


「はい?」


「一緒に東京に住むんだ」


「俺も東京行きたいなー!」


艶耀が勝手に会話に入ってきた。今真面目な話してるんだけど。


「まず部活入れよな?全国大会とかで行けるんじゃない?」


「えー、じゃあ卒業してから入部するー」


「高校ってこと?で、何部?」


「陸上かなー」


「ちょっと。さっきの話は?艶耀、本当なの?」


あ、話が脱線していた。


「うん」


「いや、え?誰と?そんな人いた?」


「ひどいなぁ」


「え、まさかバイトの店長…とか?」


高原くんはひどくあり得ないという顔をしていた。あこさん、ドンマイ。


「ないないない」


「じゃあ誰?」


「その店長の友達」


「ありえない。なんで?え、艶耀も知ってたの?」


「いやぁ、高原さん元気なくて言いにくくてー」


「つーか、名前で呼んでいいんだけど」


「すみません、なんとなく」


「ごめんよ、高原くん。ジャムさんの卒業と一緒に外国に行くと思ってて…で言えなくてさ」


「ひど、友達じゃなかったの?」


「なんかすみません。あ、バイトだから行くね」


「あ、おい!」


バイトには遅れられないし、高原くんすまない!

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