第26話

4月、無事に進級することができた。俺は無遅刻、無欠席なんで。これだけは自慢だな。

クラスは…また高原くん、愧島さん、クレアさんと一緒だ。


「やったー!」


ということを伝えたいのだが、学年人気ナンバーワンの高原くんのまわりには、取り巻きたちでいっぱい。愧島さんも同じく。美男美女はモテる。クレアさんは欠席だ。自分の席へ行こうと思ったら、突然注目をされた。


「あれって、足助?」

「うそ、チビじゃなかった?」

「なんか顔違うって!」

「整形?」


ざわざわと騒がれた。女子からは、


「なんかイケメンになってない?」

「イメチェン?」


とか聞こえたような?イケてるって?


「足助くん」


「あぁ、高原くん」


向こうから声をかけてくれるとは!


「なんか、俺より背が高くない?この間会ったとききも若干でかくなってたけど…」


「…そうかも?」


「うわ、うぜー」

「高原よりでかいとか?180あるんだろ?高原って」


「そうだけど…いったい何センチなの?」


「さ、さあ?」


その身長は身体測定で判明した。196。これは…親父よりもでかい!でかくなりすぎ!

膝の痛みはなくなっていたので、もう伸びないだろうが高すぎるのも考えものだ。せっかく身長で注目されたものの、あとは盛り上がらないという。

宿題してなかったので、放課後残されたり。あーでも、愧島さんもいたからラッキー!


「足助くん、なんでそんな風になったの?」


隣の机に座る愧島さんは、不審そうに見た。


「さぁ?」


「変わりすぎだね」


「そうだね」


「今日はあんまり喋らないんだね」


「そうかな?」


早く終わらせたいだけなんだけどな。バイトもあるし。


「高原くん、ジャムちゃんとこ行かなかったみたいだけど…知ってた?」


「知ってる。でも、高原くんの問題だしね」


「なんか…中身も変わってない?」


「?」


「落ち着いたというか…」


「そ、そうかなぁ?照れるなぁ」


「ごめん、変わってないかも」


「え…そうかぁ」


せっかく盛り上がったのに。たまに盛り下がることを言う愧島さんであった。

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