第25話
明日は学校だったので、家に帰る。その途中、艶耀と会った。なんで夜に出歩いてるんだよ、中学生が。
「優くーん!元気?」
「もちろん」
「髪ぐっしゃぐしゃだよ。ちょっとは整えたら?」
「あぁ、ほんとだ」
「乱れすぎだよ。彼女のとこいたんでしょ」
「そうだけど。なにが言いたい…?」
「優くんは、毎度楽しんでるんだねぇ」
「は?」
「いちゃいちゃしてるんでしょ?ベットで」
「おいおい、こういうことは外で話さないのが常識だし」
「そーか。楽しいんだ。俺も彼女欲しい」
「お前ならすぐにでも彼女できるだろうな」
「でもさー、そういうの俺あんましわかんないからさー、優くん教えてよ!」
「ありえん。そういうのは高原くんが詳しいんじゃない?俺は別に普通だし」
「でもさー、そういうことしてんの見たことない」
「いや、普通見ないでしょうが」
「でも優くんはわかるよ。髪の毛ぐしゃぐしゃだもーん」
「どーせいつもぐしゃぐしゃですとも」
「いつもじゃないよ。いつも髪さらさらだもん」
「そうですかい」
「じゃ、今度聞いてみようかなぁ?高原さんにそういうこと?」
「お任せする」
「あ、高原さんだ!」
げ、ナイスタイミングである。
「足助くんと、艶耀?」
「どーもどーも!ちょうどいいところに!」
「高原くん、元気?」
「うん」
明らかに元気ない。春休みはきっとジャムさんと会ってないんだ。そして、結婚とか渡米とかの話もないのか。
「聞いてよ!あのー高原さ…」
「…ゆうでいいけど」
「え、ええと…」
艶耀の声が小さくなる。遠慮している。高原くんは寂しそうにしている。
「ゆ、ゆうさん…ヤンキーにならないんですか?」
さっきの質問はどうした。
「え?ならないし」
「そーですか。それじゃあまた!あ、優くんもまたね!」
「えー艶耀?」
すごい速さで走っていってしまった。
「艶耀ってぼーっとしてるけど、足速いんだね」
「そうだね」
ちなみに高原くんもぼーっとしてるけど、運動はできるよね?
「ところで、高原くんはアメリカとか行くことある?」
「ないよ。英語喋れないし」
「そ、そうだよね?」
あちゃー。だめだ。元気なさすぎ。
「あーもうすぐ春休み終わるね。早いね」
「うん。宿題しないと」
え、あったかな?
「あーじゃあまた!新学期に」
やべー、宿題に手つけてないしー
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