第22話
自宅から学校へ通う。寮より通うのに時間がかかる。デパート前を通りすぎる時、ヤンキーの溜まり場に艶耀がいるのに気がついた。で、金髪の…神田くんと話をしている。艶耀は朝からこんなとこにいるのか?寮にいるときは、朝から散歩に出かけてくると言っていたが。
「あー!優くーん!」
は、艶耀に見つかってしまった!
「おはよー!元気?」
「お、おう」
「神田くん?あれ?」
神田くんはいつのまにか去っていた。やっぱり俺に会いたくないんだな。…と思ったら、先の方を歩いてた高原くんと話しているではないか。知り合いだったのか?
「高原さん!入ってもらえませんか?即リーダーっすよ?」
いや、勧誘?
「ゆうさーん!神田くんとお友達なんですか?」
あ、艶耀行っちゃった。
「いや、よく知らないんだけど…あ、足助くん」
「あ、」
見つかってしまった。気まずいので、逃げる。すまない、高原くん。
学校で高原くんを待って、謝罪する。
「無視したわけではないんです!」
「わかったから。あの人と知り合いなんだね」
「まぁ、知らないことにしといてよ」
「あの人、誰とでも仲良くなりそうなのに意外だね」
「まぁ、昔知ってる人には警戒してるんだと思うけど」
「そうなんだ。艶耀は仲良くしてほしいみたいだったけど?」
「そうなんだよね、夢見がちなんでね」
「そうか」
「時間たったら、もしかしたら普通に話せるようになるかもしれないから、神田くんとは話さないようにしてる」
「へぇ、足助くん冷静だね」
そうなのか?
バイトはなかったので、学校が終わって自宅へ帰ったあと、いるかさんの家に行くことにした。母は帰りが遅くても、帰って来なくてもなにも言わない。心配してるんだかしてないんだか。今日はいるかさんも仕事が休みだったので、家にいた。
「おかえり」
「ただいま」
ここは俺の家じゃないんだけど。でも、言われたら嬉しい。玄関で靴を脱ぐとき、
「痛っ」
「どうしたの?」
「膝がめっちゃ痛い…」
「えー大丈夫?」
いるかさんが心配して近寄って来てくれた。
「成長痛だってさ」
「え?そーなの?でももしかして、骨折してたり?」
膝を心配して触ってみたり、叩いてみたりされた。
「…大丈夫、親父が言ったし」
「…お医者だったっけ」
「まぁね」
「いつ治るの?」
「さぁね」
「でも優は高2でしょ?遅くない?」
「そうですけど」
「そういえば…なんか最近私よりでかいような気がしてたんだよね」
「たぶん伸びてる。これ、親父の制服着てるし。ま、調整してるけどー」
「いつのまに?」
「いつのまにか?」
「ふーん。でも、痛いと辛いね」
「辛すぎますとも。春休みまでに治るといいけど」
「どーかなぁ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。