第18話

「いらっしゃいませ」


「またテスト?」


期末テストを控えていたので、テスト勉強をレジでしているという。


「あ、いるかさん。そうそう、またテスト」


「頑張るね~」


「とりあえず赤点間逃れたいからね…は、は」


「ふーん。いつもそんな感じ?」


「どうせバカです」


「言ってないよ?私よりはバカだろうけど」


「バカにしてんじゃん!」


「よーー!いるか!」


店長あこさんが、やってきた。またうるさくなるよ。


「あこ!なんか安くしてよ~!」


「はぁん?無理。腐ったのならやるよ 」


「最低な店長だな」


「じゃ、足助くん、お前いるかに奢ってやれ」


「え…無理」


「そこは!おごるぜ?だろーが!」


「そんな言われても…金欠っす」


店長と言い争う。


「かわいそ。私が奢ってあげるー」


「よ!いるか!姉御!」


「あこには奢らないよ?」


「あこの方が年上なんすけどー?」


「関係ないしー!」


くだらないので、テスト勉強に戻る。しかし、さっぱりわからないなぁ。どうしてテストというのがあるのだろう?この間終わったじゃないか!そのテストの結果はまた赤点だらけだった。


「高原くん、一緒に訂正しない?」


バイト終わりに、高原くんの部屋に押しかける。


「いいけど?」


ということで、艶耀と一緒にお邪魔した。


「うわーひどーい!何これぇ?」


「あー!こらー!見るんじゃない!」


艶耀が勝手にテスト見てるんですが。


「優くんバカだ」


「うるさい!艶耀はどうなんだ?」


「ふふーん!じゃん!60点!」


いかにも100点取ったかのような、自身満々の顔でテストを見せる艶耀。


「微妙じゃん」


「でもー優くんよりいいよ?」


「なんてやつだ!」


「足助くん訂正は?しないの?」


もくもくと訂正する高原くん。ツッコミまでするとかすごい。はかどってるし、点数は俺よりもいい!


「高原さんは訂正少なくてよさそうだけど、優くんヤバいんじゃないのー?」


「じゃあ手伝えよ!」


「わかるわけないじゃーん!中学生だもん!宿題しなきゃー」


「はいはい宿題ね」


「優くん夏休みの宿題は?」


「まだ終わってないけど。いっそ出さないかな」


「え、足助くんそれはまずいんじゃないの?」


「そうだね」


「高原さんは偉い!宿題もやってるし…あれ?」


「何?」


高原くんのテストを見て、動きが止まる艶耀。


「高原さん、名前が…優くんと漢字一緒?」


「そうだよ?」


今更何を言ってるんだ艶耀は。


「知らなかったです!だっていつも高原さんって呼んでるし!」


「まぁ、確かに…」


高原くんは考えこむ。いやいや、艶耀なぜ今更気づくんだよ。


「ゆうさんですよね?ジャムさんが呼んでた!」


「そうだよ。名前で呼んでいいけど」


「え?ゆうさんって?」


「うん、お前のことも艶耀って呼ぶけど」


「呼ぶ呼ぶ!」


「ごめんね高原くん、艶耀が余計なことを」


「いいよ」


「優くんはゆうさんって呼ばないの?」


「今更変えられないよ」


「えーなんでー?」


「艶耀は?足助くんのこと呼び捨てにしないの?」


高原くんナイスな返し。いやいや、呼び捨てされたらムカつくんだけどね。


「うーん、できないなぁ。優くんは優くんだしなぁ」


「そういうことだよ、艶耀ちゃん、わかった?」


「うん?」


わからないのかよ…。


「あ、バイト行かないと」


「えー、優くん訂正は?」


「できない!高原くん、時間あったらちょっと進めててほしい…」


「え、無理」


すんなり断られた。

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