第12話

次の日、学校では相変わらずクレアさんは人気であるが、高原くんのところに行こうとしない。どうなってんだ?クレアさんの近くに誰もいないようなとき、駆け寄って聞いてみた。


「クレアさん、高原くんと何かあった?」


「私、振られたの」


「え!」


告白したのか…。いつの間に…。


「今日は話したくないけど、明日から夏休みだし。2学期には話せると思うの」


「へ、へぇー」


「モデルの仕事、頑張る」


告白した俺は、普通にしゃべってるって…おかしいのか?いや、クレアさんもおかしいって!はぁ、夏休みかぁ…バイトやるしかねぇ!しかしながら、補習授業あるから結局学校行くんだけど。ぼけっとしながらバイトへ。


「いらっしゃいませ」


「やっほー。明日から夏休みだって?」


「あ、いるかさん、なぜそれを?」


「バイトの子が言ってた~。ねぇ、どっか行こうよ!」


「は?だからバイトなんですけど?」


「海とかは?」


「嫌だ。バイトで忙しいし」


「休みあるでしょー?」


「まぁあるけど、学校も行かないとだし」


「もー遊んでよね?お金かかんないとこがいいよね?やっぱ海じゃーん?」


「いや、山もある」


「なんか楽しくなさそー」


「じゃあどこだよ!」


「そーねぇ」


「おーいるかー!来てたなら休憩室まで来いって!」


突如、店長あこさんが入ってきた。


「こないだ入ってくんなって言ったじゃーん」


「そーですけどー。時と場合があるんですわよ?いるかちゃん?」


「えーそれなるみの真似?」


「そーですわ?」


くだらねぇ。


「それ、誰の真似ですか?」


「劇団にいるお嬢様ですわ!足助くん知らないの?」


「…あこさんキモいですよ?」


「仕事してろ!」


都合悪いと怒るなんて、まったくウザいなぁ。


「まぁまぁ。ね~夏休みって普通どこに行く?」


「は?また彼氏でもできたってか?」


「そう」


「そーだなぁ〜海?釣りとか?」


「地味すぎない?」


「じゃあ泳げば?」


「じゃあプールかしらん?」


「ないな。芋洗い状態じゃん」


「別にあことは行かないわよ?」


「そーだけど。じゃー家は?涼しいしー。ゲームとか?」


「それは楽でいいわね」


「おっと、電話。まーゆっくりしてってよ!」


あこさんは裏へ去って行った。


「…ね!聞いてた?」


「聞いてたけど、俺の家は無理だから」


「なんで?」


「家出してるし」


「は?まじで?」


「寮だけど」


「そーなの?」


「もう、海でいいよ。散歩で」


「デートでしょーが!」

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