第5話 スキルと新たな者たち①
俺は2人と一緒に、家から五分ぐらいにある宮殿近くの一際大きな広場に着いた。
俺たちが来たところ、広場にいた人たちがザワザワし始めた。
なんでだ?と思ったけど、多分サーラさんのせいだろうなこれ。
その証拠に、そのサーラさんはちゃっかりその人たちに手を振ってるし。
まぁ、それは置いといて。
着いた大広場は、とても広々としており、地面は砂利となっていた。
広場の隅の方には白い建物があり、看板には緊急治療所だと書かれている。
ここで怪我してもすぐに治療ができるという仕組みになっていた。
そういえば、普通に文字が読めているけど、多分これも【常用スキル】『言語理解』のおかげなんだろうか?
なら、本当にスキルって便利だな⋯。
前の世界に欲しかった⋯英語苦手だったし。
と、俺が考えていた時に突然
「『
と、近くにいた2人組の中学生ぐらいの子の片方がその名の通り火の玉を撃っていた。
時々、狙ったところではなく、意味不明なところに飛んでいったりしている。
この大広場の外縁には柵が設置されているが、そこまで高くなく、近くには民家もあった。
もし、この火の玉が民家の方に向かったら⋯。
「え、サーラさん、あれ危なくないですか?」
「ん?あぁ!大丈夫大丈夫。この訓練場にはね、特別な結界が貼られているから外に魔法が出ることは無いよ」
「結界、ですか?」
と俺が聞くと、サーラさんが空に向かって指を指す。もちろんそこには何も無かった。
「えっと、?」
「見えない?何かに囲われているのを」
そう言われ、俺は空を凝視する。
すると確かに、ぼんやりと透明な壁によってドーム状にこの訓練場が囲まれていた。
「あ!見えました!」
「お、見えた?この結界はね、この
さっそく出てきたな、神様のことについて。
「へ⋯すごいですね」
「うん。あと水神様のすごい所は、この結界はこの都市全部を囲っているんだよ!だから、敵や魔物がが来ても安心安全なの」
まじか、と思い俺は都の外縁部を見つめる。
すると本当に透明な結界で全て覆われていた。
「え、嘘やん⋯」
と、関西弁が思わず出てしまった。
そのぐらいスケールの大きさに驚いてしまったのだ。
この反応にサーラさんたちも笑っていた。
この結界を1人で⋯。
神様ってやっぱ超越してるんだな⋯、と感じた俺であった。
・
そうして、俺は2人に教えて貰いながら、スキルを使ってみることに。
巨大蜘蛛の時は必死だったから、スキルをどう使用したか全然覚えていないんだけど、サーラさんのアドバイスは『神素力を脳に流して、何をするかをイメージする』というものだった。
「神素力の流し方が分からないんですけど⋯」
「それは私に任せなさい!」
とサーラさんが俺の背中に手を当てる。
「え、何をするんですか?」
「私が神素力を制御するから、カケル君は集中して、スキルを使うことをイメージしてね」
「あ、はい」
俺は言われた通りに、目をつぶって集中する。
周りの音がだんだん小さくなって、ドクンドクン、と自分の心臓の音が正確に聞こえてきた。
すると━━
(何か、が流れてる?)
そこには見えるはずもない自分の中に何かが流れているのを
(これが神素力か?)
それはキラキラと自ら発光していて、砂のようにサラサラと流れている。
その流れに俺はついて行く。
周りは真っ黒闇で、神素力の光のみが頼りである。感覚としては不思議な感じで夢の中にいるような気分だった。
そして━━━━━
辿り着いた。
流れの終着点には金色に輝く欠片があり、そこに神素力が流れ込んでいる。
そして、俺はそれに触れた。
すると、突然、俺の中に情報が流れ込んできたのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『
【スキル系列】:授与スキル――神祖系
【基本能力】:構築操作
【?】:unknown
【?】:unknown
【?】:unknown
【
:『効率化』…神素力消費量の30%減小
:unknown
:unknown
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
と、このような情報を得た。
情報が流れてきた時は変な感覚だったが、今ではもともとこの情報を持っていたかのように感じる。
あ、そういやスキルを使うんだったな。
えっと…このスキルの能力は、『構築操作』だったっけ。
サーラさんによれば、何をするかイメージしろって話だよな。
『構築操作』、その名の通りならば…
「『
俺は手を前に出してそう唱えた。
すると、なんとも不思議なことに、俺の手のひらの上に一つの石製の球体ができていたのだ。
「これ成功ですよね!」
と俺は振り向くと、サーラさんが疲れた表情で地面に座り込んでいた。
「うん⋯大成功、だと思うよ⋯」
「え、何かありましたか?」
「⋯何かありましたかじゃない!君、神素力多すぎ!最初びっくりしたよ⋯、制御できるか心配になったし⋯」
となぜか怒られてしまった。
神素力が多いのか?俺が?
「えっと、、どのぐらい多いんですかね?」
「んー、まぁ私と同じぐらい?」
とサーラさんが言うと、アイリスさんが
「は!?さすがに有り得ないでしょ!お姉ちゃんと同じなんて」
とめっちゃ驚いていた。
「そんなに、やばいんですか?」
と聞くと、アイリスさんは「はぁ⋯」とため息をつき続けた。
「お姉ちゃんはね、知ってると思うけど騎士団の団長なんだよ?そりゃ少ないわけないし。あと、普通に悔しいけど私より多いもん⋯」
と、聞けば聞くほどヤバい気がしてきた。
確かに、騎士団の団長クラスと同じってことだし、アイリスさんよりも多いって⋯。
ん?てか、まてよ。なんかスキルの情報に『効率化』ってものがあった気が━━━━━
いや、やめとこう。
これ以上いうとまたなんか言われそうだし⋯。
「サーラさん、制御ありがとうございます。あとなんかすみません」
と、とりあえずお礼と謝罪をしといた。
とすると突然⋯
「愛しのアイリスよ、ここで何をしてるだい?」
と俺たちの前に謎の金髪青年が現れたのだ。
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