遠いところにいる人よ
遠いところにいる人よ
ここにはもうあるのは残骸だけ
あるいは焼け付いた影があるだけだ
ところが俺の胸のどこかにはまだ、日が昇ろうとしている
霧の向こうに咲く花を探して
海の向こうを見ているんだ。
でも、帰って来はしないのだ
一人で、ここで待っていても
遠いところにいる人よ
あなたのいるところに俺はいけるだろうか
あと少しで、終点が近いのかもしれないのに
街の切れかけた灯りの下で
薄暗い店の中へ入る
どうせ
誰もいないのはわかっている
疲れてはいないのに
今日は明るい歌は聴きたくない
だから、
お願いだから聞かせてくれ
もう少しで深い眠りが俺をつつむだろう
だが、そこにはいくまい
まだ、その丘の上で誰も呼んでいない
遠いところにいる人よ
俺をみつけてくれ
無理な頼みとわかってはいるんだが
この残骸の向こうにあることはわかっている
そうだ
昔の俺の目にはハッキリ見えていた
霧の向こうに咲く花が
霧の向こうに咲く花が
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