仰ぎ見るもの

それは雲の彼方にあるものだ

そういうものだろう希望というものは。

とはいっても生きているということは

大半辛いことばかりだ

いいことなんてあまりない

だからといって

生まれてこなければよかったなんて思わないのは

きっと

ただ僕が楽天的だからだろう


ほかに理由なんて思いつかない

ただ

言っておきたいのは

希望があるから生きているというわけではないということだ

それは雲の彼方にあるもので

だからこそいいのだ

目の前に

あって

すぐ手をのばして掴めるものなら

わざわざ仰ぎ見るほどのことはないし

それを思い浮かべて

胸も熱くはならないだろう

そういうものだ


僕は

辛い時に希望を思い浮かべたりしない

こんなことに希望は利用しないものだ

そのかわり

心の中で言う

僕は生きているのだと

それだけでいい

そうつぶやくだけでいいのだ

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