第15話 襲撃と撃退
「近付くな!これ以上近付けば、攻撃を仕掛ける!!」
すごい汗を垂らしながら、ブレードが青肌の美女に対して威嚇する。
何故そんなに汗をかいている?
「……ご主人様。私から離れないでください。
あいつは危険です。
恐らく私たち3人掛かりでも勝ち目はありません……」
トモエも歯をカチカチとさせて、かなり動揺していることが見てとれた。
……俺には全く感じられないのだが、彼女はそんなに危険な存在なのか?
《かなり高位の『威圧』を放っている。普通の相手なら失神してもおかしくはない》
コピーにそう言われて、隣を見るとハインツは気を失っている。
見たところトモエも戦うことすら無理だろう。
ブレードでようやく体を動かせる程度というところか。
……ところで俺は何で無事なの?
《『大邪神の加護』が一種のバリアみたいになり、無効化したみたいだ。
普通に睨まれたりすると竦んだりするが、こういう特殊能力による攻撃は防げるみたいだな》
流石は『大邪神の加護』だ。
それにしてもあいつは何者なのだろうか?
「お前は何者だ?」
俺は拾っておいた木の杖を美女の方に向けながら問い掛ける。
「あら、動けるのね?
弱そうに見えたのに、動けるなんてすごいじゃない」
青肌の美女は嬉しそうに、俺に微笑みかける。
俺の隣で。
「え?」
俺の首が美女の手によって絞められる。
……いつの間に隣にいた?
「あなたこそ何者?
私の力が全く効いていないようじゃない。
でもそんなに強そうにも感じられないのよね」
俺は首を絞められながら、片手で青肌の美女に持ち上げれた。
これでも筋肉質のため、それなりの体重がある。
その俺を片手で持ち上げる?どう考えても、この女は化け物だ。
《判断が遅い》
トモエは俺のほうを向くが、それ以上は体が動かないようだ。
ブレードは体は動くが、慎重に青肌の女から距離を取っていた。
「……何が目的だ?」
「殲滅」
ブレードの問いを青肌の女は端的に答えた。
どうやら俺たちを殺すつもりのようだ。
「すまん!!」
その後のブレードの動きは早かった。
大剣を捨て、ハインツを掴むとすぐさま逃げていった。
俺とトモエは置き去りである。
「流石は英雄。判断が早い。
そちらのドワーフは、……奴隷ね。
なら逃げられないわね」
ん?どういうことだ?
《奴隷の首輪の中には逃亡防止用の機能が付いたものがある。
お前は安物を買ったために、付いてないけどな》
そういうことか。
俺はまだ余裕があった。
苦しくないように回復魔法を使っていた。そのため首を絞められても平気だ。
首に痛みは感じるが、息をできない苦しさは無い。
結構回復魔法は万能だな。
「英雄とやらを逃がしたの痛いけど、問題はあなたの方。
かなり強めで首を絞めているけど、気を失うような気配はないわね。
少し苦しそうだけど、まだ余裕がありそうだし。
本当に何者なのかしら?」
俺は首を絞められているため、何も話すこともできずにいる。
両手で相手の腕を掴んでいるが、細い腕のはずなのに俺よりも力は強い
「何者かは分からないけど、私の下僕にしてあげましょう。
私はサキュバス。
あんたを虜にするなんて、とても簡単な事です」
青肌の女は俺に向けて、妖艶な笑みを浮かべる。
そうして俺はサキュバスと裸で戦いあった(意味深)。
俺のマジカル〇〇〇が無双して、俺がサキュバスを下すのだった。
それを悔しそうに、動けないトモエが見ていた。トモエは新たな扉を開いた。
******
「私はサキュバスのマリアと言います。
よろしくお願いします」
マリアは俺の前で裸で土下座をしていた。
あの後は大変だった。マリアを屈服させた後は、トモエが俺に性的に襲い掛かってきた。
俺がマリアに襲われているのを、見るしかできずにいたらしい。
「……それが苦しくて悲しくて、それでいて快楽だったのです。
頭がぐちゃぐちゃになりながら、ショックでした。
でも興奮したんです。ご主人様が襲われているのを見て興奮したんです。
なんというべきなんでしょうか?
この気持ちは?分かりません。でも味わったことのないくらい甘美でした。
気持ちよかったんですっ!
……ああ、もう一度味わいたくないのに味わいたい。
矛盾する気持ちがせめぎ合って、ご主人様が欲しいと思いました。
ご主人様に抱かれたいと思いました」
トモエは熱く語っていた。……少し目の焦点が合っておらず、恐怖を感じた。
ともかくマリアは俺の下僕になったらしい。
マリアは人型で、俺たちと普通に言葉を交わすが魔物である。
魔物と魔物でないものの違いは魔石の有無であり、体内に魔石を持つマリアは魔物ということになる。
「……それでマリアはサキュバスということらしいが、処〇だったのか?」
俺は真剣な顔をして、マリアに問い掛けた。
「……はい、初めてでした」
土下座から顔を上げたマリアは、頬を染めながら答える。
「本当ですか?」
トモエは懐疑的な目で見ていた。……少し息が荒いのはどうしてだろう?
「本当です。
私はサキュバスですが、体で篭絡なんて使う必要が無いのですよ。
それだけの実力を持っています。
食事はあなた方と同じです。口からものを食べることで、魔力を得ています。
性行為による摂取も可能ですが、それも主様が初めてです。
正真正銘、主様が私の初めてになります」
マリアは妖艶に笑う。
「……ゴブリンアサシンが『風』を使っていたのは、あなたの仕業ですか?」
トモエはマリアを睨みつける。
「ええ、もちろんそうです。
『風』属性の魔石を、3体のゴブリンに付与しました。
それがあの3体です。
中々強力な個体でしょう?」
さて問題はこれからどうするべきかだ。
「トモエ!俺体はこれからどうすればいいと思う?」
「……まずご主人様はこのマリアと名乗るサキュバスを、どうされるお積りですか?
それによって私たちの行動が変わってきます」
どうしたいって。……俺は自分の感じたことを、そのままトモエに告げる。
「俺はマリアを仲間にしたいと思う。
今必要なのは、強い仲間だ。
マリアは強い。だから俺はマリアを仲間にしたいと思う」
それに気持ち良かったからな。
貧乳も味わい深いのかもしれないが、巨乳は巨乳でいいものだ。
「……少し問い詰めたい気もしますが、ここでは流しておきます。
マリアを仲間にするのなら、この町からは一刻も早く出ていくべきです。
それからマリアは姿を偽ることができませんか?」
トモエがマリアを見た。先程よりは視線が柔らかくなっている気がする。
「可能ですね。そもそもこの色は私を生み出した魔族の色を真似ているだけです。
本来の私の姿は人間とほぼ同じですよ」
そういうとマリアは立ち上がり、真の姿を現した。
長い髪は深い艶のある黒色。肌の色は人間と同じだが、人間ではない透明感のある張りのある肌。顔や体の造形は全く変わらないが、肌と髪の色が変わったため印象ががらりと変わった。
人間と違うのは細長い艶のある黒い尻尾があることくらいだろう。
「……人間と違うのは尻尾くらいのものですか」
「それも少しゆったりとした服を着れば、簡単に隠せます」
マリアは尻尾を腰に巻くと、全裸のままその場で一周する。
綺麗だな。
……裸を見ると少し興奮してきたな。
「今回のブレードからの依頼については、ある程度前金でもらっています。
成功報酬が得られないのは痛いですが、これ以上この町に留まるのは危険です。
面倒ですが、徒歩で移動しましょう」
「……主様。私に魔力を頂けますか?
そうすれば私が魔力から魔石を作り、魔物を作ります。
作られた魔物は基本的に私の言うことを聞きますので、乗り物として利用できるはずです」
頬を染めて中指を口で上下にするマリアを見て、俺は我慢が出来なくなった。
俺はマリアに大量の魔力を注入した。もちろんトモエにも同時に注入した。
マジカル〇〇〇は2本になることができる。そのため2人同時に対応することができた。
これでトモエとマリアが仲良くなるといいな。
俺はとても楽しんでいた。
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