第36話 行くしかなくて草
「兄様にどうしてもお願いしたいことがあるのです」
シドと別れたすぐ後、l入れ違いになる形でステラたちの元にシドの妹──ミラが息を上げながらやってきた。
「シド様はもうすでに行ってしまわれって」
「そう……」
ステラがシドがもうすでにいないことを告げ、声の調子を落とし残念そうな顔をするとニナが気を利かせ始めた。
『要件だけでも聞こうか? シドも用事が終わった後にまた合流するし』
「本当ですか? 感謝申し上げます。 実は父が前魔王が復活しているカマッセイ領にいるので安全な場所に避難させて欲しいのです」
『避難させるだけでいいのか。じゃあ俺たちでもできるだろ』
『だな。場所はミラちゃんに案内してもらえばいいしな』
『ミラちゃんのお父さんってことはシドのお父さんってことだし、シドにもたまには恩返ししてあげなくちゃだしね』
ミラが要件を言うとロイドが自分達だけで引き受けられる旨を良い、アンディとロンナが賛同する。
その言葉を聞いて安心し、ミラは胸を撫で下ろす。
「皆様ありがとうございます。私の手前勝手な事情に付き合って頂いて」
『何気にしないで。あたしたちもついでに家族とか避難させるつもりだし。作戦やることばっか頭いっぱいでそこまで頭が回ってなかったら逆にあたしらが助かったわ。さて急いで行かないと作戦には間に合わないから急ぐわよ』
「ミラ、私の鎧の中にどうぞ」
ニナが心良い返事をするとステラが自分の乗ってる神鎧が一番安全だと判断してミラを乗せる。
「これが鎧の中……。すごいですね」
「ミラはまだ見たことがなかったんですね。ミラにはいつも教えってもらってるので私が教えて上げます」
ミラがまだ見ぬ未知の鎧の中におっかなびっくり声を上げると、ここ数週間、対抗意識を燃やしていたミラに知識マウントを取られ、不服な心持ちだったステラが得意げにそう言う。
ミラが操縦席の横に座るとカマッセイ邸へと向けて、神聖術の『身体強化』をかけて駆けて行く。
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