第35話 嵌め殺しにする悪役令息
「爆発……なんで……あ……」
爆殺から逃れた魔族の鎧をマシンガンで撃ち抜く。
これで十回目のワープを潰した。
取りこぼしを俺が始末して、天使に爆弾を設置させていたが、しばらく経っても転移してこないところを見るとこれで打ち止めか。
だいたい五分間隔くらいできたので五十分ってところか。
平時だったらそこまで大きな時間でもないが、絶えず状況が変化する状況では大きいな。
想定の倍ほどこちらに来ていたのであっちは薄いはずだが、急いで向かうか。
────
「鬱陶しい! そこをどけ!」
封印から解き放たれた前魔王──ディアボロは通せんぼをされ、封印されていた場所から五十メートル足らずの地点から動けずにいた。
封印から解除されたというのに何もすることができていないことがひどくディアブロの自尊心を傷つける。
百年前であれば一歩進むごとに存在するもの全てを打ち壊したと言うのに、今は一人の人間に妨害され、動くことさえ敵わない。
こんなことが許されていいはずがない。
怒気を乗せ攻撃を激しくするが悉くが封印が解かれたことで前聖女──ジンジャーに戻った何十年分もの膨大な神聖力で強化された装甲を打ち抜けずに逆に十の拳が返ってくる。
「バカが!! 我が倒せんということはお前がわかってるはずだ! こんなことを続けても無駄なのだ! 早く退け! 老いぼれが!」
怒号と共に退くように命令するが無視されてそのままジンジャーによる猛攻は続く。
ディアボロの二重バリアの二重目──魔法でのみしか破壊できないバリアに阻まれ傷をつけることはできないが物理的に干渉してディアボロはどんどんと押し戻されていく。
『もう間も無く教会からの救援が来ます。私には倒せずとも他の子たちが倒せぬという保証はありません』
「学習能力のないゴミが! 100年前にお前以外の盾付いたものを我が葬り去ったことを忘れたか! 我は誰にも倒せんのだ! 無駄! 無意味なのだ! 封印が解けた時点で貴様は敗北しておる! 道理を弁えろ!」
『たとえ今いないのならばあなたのことを倒す者が現れる未来まであなたをここに押し留めます。十年だろうと五十年だろうと百年だろうと私の命が燃え尽きるまで』
理屈を説いてどかそうと試みるが殴打は止まらず、ディアボロが進むことを阻み続ける。
執念──自分を絶対に邪魔してやろうという意志を感じ取り、ディアブロの額に汗が滲む。
ここから本当に永遠に動けず、残りの人生を全て無為に終わらせられるかもしれないという不安がディアボロの内心でもたげ始めた。
「だ、黙れえ! 退け! 退けえええ!」
不安を原動力に一心不乱にジンジャーに攻撃の勢いを強める。
もうすでに援軍の介入──シドが介入してくることを気にかけるほどの心的余裕がディアボロになくなっていた。
───
続きを書くモチベになるので、是非とも星⭐︎⭐︎⭐︎、フォローお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます